クローゼットは不思議と持ち主の価値観やライフスタイルが映し出される場所。素敵な人のクローゼット取材を通して、自分らしい服との付き合い方を探っていきます。第二回は国際薬膳師・家庭薬膳アドバイザー・ライターとして、食を起点にシンプルなライフスタイルを発信している有田千幸さん。有田さんならではの身軽なクローゼット作りについてお話を伺いました。

有田千幸さん
国際薬膳師、家庭薬膳アドバイザー、ライター。中医薬膳の考え方をベースとした台湾朝ごはんや植物性スイーツの提供、企業のレシピ開発などに従事。Instagram:@chiyuki_arita_official

 


「シンプルに身軽に生きていきたい」という考え方が、今のクローゼットに反映されている

「シーズンオフのアイテム以外は、全てここに収まっています。このクローゼットのいいところは高さがあるところ。クローゼット内の空間が無駄なく使え、ポールも含めて木製なので木の香りがいつまでも続いて、扉を開けるたびに癒されます」(有田さん)


学生時代から定住しない生活が多かったという有田さんは、元々持ちものが少ないタイプだったといいます。

「高校、大学をニュージーランドで過ごし、卒業してからは台湾の航空会社に9年勤めていたことから、定住しない生活スタイルが私にとっての当たり前でした。移動の多い生活では持ち物の多さが物理的に負担になるので、基本的に“シンプルに、身軽に生きていきたい”という考え方が今のクローゼットのコンパクトなサイズに反映されています」

出産を経て、子どもの食事について考えるようになったことを機に薬膳の勉強を始めたという有田さん。「現在は中医薬膳の考えをベースに、養生美食住に関するさまざまなイベントやワークショップを定期的に行なっています」(有田さん)


「今、私が仕事にしている薬膳の考え方で好きなのが、『人間は大自然の一部であって、自然の変化と調和しながら生きることが養生だ』という考え方。“無理をしない”を追求していくと結局シンプルな生き方に行き着くので、クローゼットは今の私自身とリンクしているとも思います。

このクローゼットは建築家である夫が設計したものなのですが、ここから服が溢れたらそれは持ちすぎというサイン。衣替えはしますが、コートなど季節によって明らかに着ないものを別の場所に収納するくらいで、衣替えの量はそこまで多くありません」

「高さのあるクローゼットの扉は、ハンガーを掛けて帰宅後にその日着たコートを休ませたり、コーディネートを考えるときにも便利です」(有田さん)


有田さん流クローゼット収納の3つのルールを紹介

扉を閉めると一面が木の壁のように見える有田家のクローゼット。木目が美しいメープルを鏡面加工し、窓からたっぷりと入る光が部屋中に反射するように設計したそう。

使い勝手がよく、見た目も美しいクローゼットをキープするための有田さん流収納ルールを教えていただきました。


ルール1. 基本的には服はすべてハンガー掛け。すぐに着られる状態で保管する

「着るときにすぐに着られる状態にしたいので、なるべくシワにならない方法で収納するようにしています。例えば着るタイミングで襟を折り返すとパリッとして気持ちがいいので、シャツは襟を立てて保管。パーカなどフードのある服も畳むとボリュームが出てしまうので、上下をひっくり返してハンガーに掛けています」

「Tシャツやニットもハンガーに掛けています。こんな風に畳んで掛ければ、肩の部分にハンガーの跡が付いたり首元が伸びる心配もありません」(有田さん)
「パーカーやタートルネックは首元を下にしてハンガー掛けに。この方が畳んで重ねて収納するよりかさ張らないんです」(有田さん)
「シャツは襟を立てた状態でハンガーに。着るときに襟を折り返すと気持ちがシャキッとします」(有田さん)
「以前バラエティショップでまとめて購入したハンガーは、フェルト素材で肩の部分に少し厚みがあるので、肩に跡が付かないところが気に入っています。金具の色をすべてシルバーで揃えているところもこだわりです」(有田さん)
 
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