「こんな女になりたい!」が詰まっている和紗のキャラクター


ありすの幼なじみの和紗は、『三ツ沢工務店』の一人娘で、地元では有名な最強の元ヤン。その拳で、ありすをいじめから守り抜いてきました。また、2人の息子を育てるママで、間もなく第3子が誕生予定! 大きなお腹でサバサバと『ありすのお勝手』を仕切っている姿が、『魔女の宅急便』のおソノさんに見える瞬間があります。おソノさんもそうですが、和紗も「こんな女になりたい!」が詰まっている魅力的なキャラクターです。


ASDのありすには、苦手なものがたくさんあります。突然、後ろから話しかけられること。大きな音を出されること。そのほかにも、テーブルの拭き方から調味料の並べ方まで、数々のこだわりがある。『ありすのお勝手』で働くことになった倖生に、それらの注意点を伝えるのは和紗の役割でした。

 


わたしも最初は「なるほど、ASDの人にはこういう特性があるんだな」と思いながら聞いていましたが、和紗の「ありすの場合は、ね」という一言にハッとさせられました。ASDだからといって、みんなが同じ個性を持っているわけじゃない。和紗は、ASDのありすに寄り添うというよりは、ありす自身を見て、彼女の個性に寄り添ってきたんだなと感じました。

また、変に気を遣いすぎないサバサバした性格も素敵なんですよね。ありすに対しても、わりとズバズバと毒舌を吐いたりする。「この子は可哀想だから、気を遣ってあげないと」みたいな無自覚な偏見が、和紗には存在しない。そういうところも、ありすが心を許している理由なんだろうなと思います。

“助け合い”がテーマのひとつになっている『厨房のありす』。ありすはみんなに助けられているだけではない。ありすもまた、料理を通してみんなに幸せを届けている。人はみな持ちつ持たれつで生きているというのを伝えてくれるのが、このドラマの素敵なところです。


心護に、倖生の父を殺した(?)疑惑がかかっていたり、ありすの母・未知子(国仲涼子)が死んだ事故には、なにやら秘密が隠されていそうだったりと、ミステリーの部分ではハラハラする展開が続きそうですが……。ようやく気持ちが通じ合ったありすと倖生の温かい恋が失われないことを願っています。
 

 

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