こんにちは、エディターの昼田です。
かつての私にとって、ものすご〜く苦手な場所。それは「試着室」でした。
試着して買わないと気まずいし、試着してみたはいいもののサイズが入らなかったり、いまいちなとき「お客様いかがですか〜」の声にドキッとしたり。
みなさん、そんな経験はないですか。
そもそも私は他人に意識が向きやすい人なので、買わなかったら申し訳ないなとか、あれも試したいって言いづらいなとか、他人(店員)に焦点を合わせてしまいがち。ユニクロやオンラインであれば接客されないからラクなんですけどね。
いやいや逃げたって仕方ない。この先、どんな服を買おうとも多くの場面で避けて通れないのが「試着室」です。ハイブランドだともっとそのハードルが上がる。高い服を着てみたいと思うなら、なおさら克服しないといけない場所なのだ。
ある日、どうにかして試着室を「楽しい場所」にできないだろうか、と考えました。ハイブランドでもそうでなくても、買い物をいい気分で終わらせるためにはどうしたらいいだろう?
そこで私は「自分の意識」を変えようと思ったのです。
結果、今の私はブランドに関係なく、自分の心だけにベクトルを向けながら買い物を楽しめるように。試着に対する抵抗もなくなりました。いかに店員の接客をかわしていくかを考えていたあの頃の私はもういません(笑)。むしろ積極的に接客されたい、話したい(笑)。
そう、自分の意識しだいで、試着室は「楽しい場所」にも「苦手な場所」にもなるのです。
自分が変われば、目の前の景色を180度変えられることに気がついたのです。
すべては自分の意識しだい!
そもそも試着室=苦手な場所にしてしまったのは、私が無意識のうちに「店員=苦手な存在」と捉えていたから。その意識でいれば、当然話しかけられてもできるだけ関わらないようにしてしまう。試着しても買わないといえば気まずさがただよい、逃げるようにお店を後にしてしまう。
これって相手が悪いのではなく、自分が持っている意識が起こしている問題なんですよね。
そこで、「私は、目の前にいるこの店員さんと仲良くなりたい」という意識でいることにしてみたんです。まるで友達と話しているような、店員さんとそんな感覚で過ごせたなら、試着だろうがなんだろうが、楽しいに決まってますよね。
意識が変われば、行動が変わります。
仲良くなるには、自分のことも知ってもらいたいし、相手のことも知りたい。積極的に自分を開いていこうと思った。
「何かを買いにきたわけじゃないんですけど、あのジャケットが目に入って素敵だなと思ったんですよ」
「今、新しいメガネを探していて、仕事の帰りにちょっと寄ってみたんですよ」
打ち解けたいなら飾る必要なし。ありのままを話せばいいんです。
相手のことも知りたいから、どんどんあなたの意見を聞かせてほしいというスタンスになります。
「これとこれで迷っていて、どう思います?」
「毛玉になるのが苦手で、これはどうですか?」
なぜこの店に来ていて、何を探していて、どういう気持ちでいるのか。私の背景が少しでも伝わったなら、相手のアドバイスもぐっと的確になります。店員だってお客さんに喜んでもらいたいはずですからね。
かつての私は、かってに店員をやっかいな存在に仕立て、自分で自分を苦しめていたんです。でもね、目の前にいる店員だって、よそのお店では一人のお客さんです。この人は敵でもなく、絶対に分かり合えるはずなんです。
「この人と仲良くなりたい」が、買い物を楽しくする!
<新刊紹介>
『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』
著・昼田祥子
¥1540(税込)
講談社
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クローゼットに収納術はいりません。
「クローゼット=本当の自分」にできれば、勝手に整うものだから。
ただ、自分の心地よさに従うこと。
本来の自分を生きるという覚悟を決めること。
捨てられずに人生を詰まらせているものに向き合い、手放していけたとき、人生はすごい速さで自分でも思いがけない方向に進んでいきます。
1000枚の服を溜め込んだファッション雑誌編集者の人生を変えた「服捨て」体験と、誰でもできるその方法を伝えます。
着用・文/昼田祥子
構成/出原杏子
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