今、筆者は「投資にはリスクがある」と申し上げましたが、リスクとリターンというのは常に表裏一体の関係にあり、投資すれば将来儲かるかもしれないという「期待」は、「リスク」があって初めて存在するものです。つまり、リスクがあるからこそリターンがあるという関係ですから、より高いリターンを得ようと思った場合には、高いリスクを取るしか方法はありません。

【新NISA】投資の“高リスク”って具体的にどこから?プロが教える「失敗する人はほぼ100%これを忘れてる」投資の基本原則_img0
イラスト:Shutterstock

ここが投資においてもっとも重要な部分であり、大きく儲けようと思えば、リスクの高い商品を買うしかなく、リスクを抑えることを優先すれば、大きな儲けは得られないのです。リスクがないにもかかわらずリターンだけが存在するという商品は原則としてあり得ませんから、どちらかを取るしかありません。

この部分を忘れてしまうと、大変なことになってしまいます。

 


例えばですが、リスクに対して過度に敏感な人が投資をすると、リスクを恐れるあまり「リスクを抑えて、高いリターンが得られる」というインチキ投資商品を掴まされてしまう可能性が高まってきます。そうならないためにも、「世の中にはおいしい話は存在しない」という現実について、しっかり押さえておく必要があるでしょう。

では、リスクというのは平均的に見た場合、どの程度になるのでしょうか。言葉だけでは難しいと思いますので、数字を使って説明したいと思います。

一般的に株式に投資した場合、平均すると年6%程度の利益が期待できるとされています。これは株価が高騰した時や暴落した時など、あらゆる局面を平均した長期的な数字であり、今から10年、20年という期間、株式投資を続けていれば、年6%程度の利益が得られる可能性が高いと解釈できます。これが株式投資の平均的なリターンです。

一方のリスクですが、株式投資の場合、年間プラスマイナス20〜25%程度の上下変動があるのが普通です(厳密に言うと統計学上、68.3%の確率で上下20〜25%の範囲に収まります=標準偏差)。

つまり株式に投資をすると、長期的には毎年6%ずつ増える可能性がありますが、買ったその年に25%株価が下がってしまうことはザラにあるといことを意味しています。この変動に耐えられるだけのメンタルがない場合には、残念ですが投資はやめた方が良いかもしれません。

このあたりは実際にやってみないとわからない部分もありますから、まずは小さな金額でトライしてみて、その感覚を試し、自分に合っているのか判断するという手順を踏むのも良いでしょう。次回も投資の原理原則について解説したいと思います。
 

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