田邑先生に担任してほしい人生だった


田邑先生は、生徒に気さくに接しながらも、落ち着いて一線を引いている大人の余裕がありますし、過去に何かあったのかなと想像させる隙があるところが、より魅力的に見えてしまいます。低くて落ち着いたトーンの話し方も素敵だし、眼鏡とセンター分けの前髪もかっこいい。


なかなか周りと打ち解けられない弥生(林芽亜里)を気遣って話しかけ、その後周りとコミュニケーションを取っている様子を見て陰ながら微笑んでいる……そして何かトラブルが起きたら堂々と自分を盾にして生徒を守るという、いい先生っぷりにキュンとします。「こんな先生、いたら好きになっちゃうじゃん……」というときめきと、「こんな先生うちの高校にはいなかったんですけど?!」という羨望(?)を毎週感じています。

 


田邑くん、高校生すぎてすごい


高校生の田邑くんは、周りに合わせて思ってもないような悪口を一緒に言ってしまったり、将来なにがしたいかもわからない中、ふとしたきっかけで由美子先生(北香那)と親しくなります。先生と接する中で自分のやりたいことに気づいた彼は、どんどん彼女に惹かれていきます。若さゆえの青さとまっすぐな気持ちがものすごく高校生で、大人から見るとまぶしく感じます。


実際には渡辺翔太のほうが北香那より5歳上なのに、ちゃんと高校生と大人の女性に見えるから二人ともすごい。大好きな先生を前にして笑顔になっちゃう感じとか、声が大きくなっちゃう感じとか、年下男子のかわいさのようなものがにじみ出ていてすごい。


大学生の田邑くんも出てくるなんて聞いてない……!


後半になって、大学生になった田邑くんまで出てきました。もはや三役では……?

学校を去り、会えなくなってしまった由美子先生を大学生になってもひそかに想い続けている田邑くん。由美子先生のおかげで気づけた美術の道(美大)に進みました。パーカーにリュック姿がすごく……大学生です……。就職活動にも身が入らないある日、由美子先生に再会します。先生を諦められない田邑くんと、先生と生徒として出会った自分といないほうが田邑は幸せになれると思う由美子先生。くぅ、もどかしい……!

しかも、先生の指輪を見て恋人がいると早合点し「大学をやめて働く」と言い出すからさあ大変。高校生よりはちょっと大人になったけど、やっぱり若いです。幼なじみの児玉(須賀健太)の機転で由美子がそれを阻止し、ついに思いが通じ合った2人。抱き合ったあと「もう学校じゃないよ」と田邑くんが言ってからのキスシーン、とってもよかったです……。

「先生さようなら」続きも楽しみ!


「先生さようなら」というタイトルを聞いたとき、毎日の挨拶である「先生さようなら」、先生との恋に別れをつげる「先生さようなら」どちらの意味も込められているのだろうか、と想像しました。人によっていろんなことを感じるかもしれない余白のあるタイトルだと思います。1話冒頭の映像からすると、これから悲しい物語も観なければならないのかもしれません。それでもなんとかハッピーエンドで終わってほしいな……と願わずにいられません。

文/ぐみ
構成/山﨑 恵
 

 

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