――それぞれ、演じた役との共通点は?

 純粋で知的欲求に素直すぎるところは似てるところがあるなって思います。

青木 僕は、空気を読まないところですね。

 現場の空気をよくするために、あえてそうしてくださってましたよね。子供心のある方だなと思っていました。

青木 奥くんは本当に優しい! (資料を見ながら)事前コメントでも『青木さんからはお芝居だけでなく、人としての在り方についても教えていただき……』って。そんなこと一切教えてないですから!

 教えていただきましたよ!

青木 奥くんは、人の話を受けて、自分の感覚で返すという流れがとてもナチュラルなんですよね。それは江南という役にも活きていると思いますね。

「そんなの一切教えてない」「教えていただきましたよ!」奥智哉×青木崇高、傑作ミステリー実写化で見せた絶妙“バディ感”の秘訣_img0
 

――奥さんは、本作がドラマ初主演です。どんな心持ちでしたか?

 現場ではとにかくリラックスできる状態を作りたかったので、あえて主演ということは考えないようにしていたんです。後々、情報解禁されて、原作が大好きな、小中時代からの友達から「あの原作が映像化されるの? 本当に撮ったの?」ってメッセージがきた時に、ようやくこの作品で主演という立場にいるんだなということが実感できました。

 


――青木さんは、奥さんの初主演ぶりをどんなふうにご覧になっていましたか。

青木 若いのにしっかりしていて、頼もしいなあと思いましたね。初主演であのセリフ量でロケも多くて、自分だったら耐えられなかったんじゃないかな。体調を崩さんようにって、親戚のおじさんのような気持ちでした。でも、暑さで伸びてしまったのは僕のほうだったんですけど(笑)。

 9月の撮影で、結構着込んでましたからね。江南だったら、襟付きシャツをインして、セーター着て、さらにジャケットだとか。

「そんなの一切教えてない」「教えていただきましたよ!」奥智哉×青木崇高、傑作ミステリー実写化で見せた絶妙“バディ感”の秘訣_img1
 

――その衣装も然り、舞台設定の昭和の世界観がきっちり作り込まれていました。

青木 僕はガッツリ昭和生まれだし、タイムスリップしたかのようで懐かしい風景として受け止めていたけど、奥くんはどうだったの?

 ダイヤルをジージーって回す電話が不思議でした。

――あれ、懐かしいですよね!

青木 奥くんは懐かしくもないんですって(笑)。「これなんや?」だよな?

 そうですね(笑)。置くとガシャーンって音が鳴るのも不思議で。でも、どこか懐かさも感じたんです。

青木 『サザエさん』とかで聞いたことがあったんじゃない?

 きっとそうです! とにかく、電子機器の重さとデカさにびっくりしました。

――江南が事件の新聞記事をスクラップ帳に貼っているのも、昭和世代としては懐かしさが……。

青木 僕も昔、切手を集めて切手帳に挟んでましたよ。珍しい切手があると、ちょっと湿らせてドライヤーとかやかんの湯気をあてて、ちょっとずつノリを剥がしてね。その切手帳を見せ合いっこしてたなあ。やってることが健気! 話してて泣けてくるわ~。