クローゼットは不思議と持ち主の価値観やライフスタイルが映し出される場所。素敵な人のクローゼット取材を通して、自分らしい服との付き合い方を探っていきます。前回に引き続きご登場いただくのは、国際薬膳師・家庭薬膳アドバイザー・ライターとして活躍する有田千幸さん。一時期「物に押しつぶされそうになった」という有田さんが今のシンプルなスタイルに行き着いた理由と、少ない服でおしゃれを楽しむ秘訣について聞きました。


前回記事
移動の多い生活から学んだ、「シンプルで身軽なクローゼット」を作る3つの収納ルールとは?【料理家のミニマルクローゼット】>>

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有田千幸さん
国際薬膳師、家庭薬膳アドバイザー、ライター。中医薬膳の考え方をベースとした台湾朝ごはんや植物性スイーツの提供、企業のレシピ開発などに従事。Instagram:@chiyuki_arita_official

 


日本に帰国後、ファッション誌のエディターに。周囲のおしゃれムードに飲まれ、気がつけばクローゼットがパンパンに

「いろんな服を着こなすこと=おしゃれではない」。服が溢れた経験からたどり着いたクローゼットの中身とは?_img0
「料理の仕事は試作や搬入など、意外と動き回るので動きやすい服が多くなりました」(有田さん)シャツ/メンズの古着のラルフローレン ベスト/トゥデイフル パンツ/ユニクロ 靴下/コムデギャルソン 靴/レペット

高校・大学とニュージーランドで過ごし、卒業後は台湾の航空会社に勤めていたという有田さん。

「ニュージーランドでは学生だったこともあり、いつもTシャツ、短パン、サンダルといったスタイルで、2週間分のスーツケースにすべての持ち物が収まるくらい、少ない物でシンプルに暮らしていました。社会人になってからも、制服のある客室乗務員だったので、そこまで多くの服は必要がなく。まとまった休みがあるとすぐに旅に出ていたので、少ない持ち物で身軽に暮らすスタイルが、私にとってのスタンダードでした」

航空会社に9年間勤務した後、久しぶりに日本に帰国した有田さんは、すごく戸惑ったといいます。

「帰国後、しばらくしてあるファッション雑誌の専属エディターとして働くことになりました。日本ではみんなおしゃれだし、当時はまだ、たくさんの物を持っていることが豊かさとされていて、“私ってすごく世間知らずでダサいんじゃないか?”と、日本で生きていけるのかすっかり自信を失ってしまいました。

仕事柄、いろんな服を着こなさなきゃいけない気がして、展示会に行ったりお付き合いで服を買うことも増え、気がついたらクローゼットから服が溢れたんです。物が増えすぎて物に押しつぶされそうになって、どうしよう、辛いな、と思って。

ちょうどコロナが流行り始めた時期だったので、いったん立ち止まって大きな整理をすることに。ファッション誌の仕事を通して華やかな世界を見た結果、私はキラキラしたものを追い求め続けるよりも、シンプルな生き方のほうが合っていると確信を持つことができて、徐々に本来のスタイルに戻ってきました」
 

いろんな服を着こなすことがおしゃれではない。有田さんの服選びのルールとは?

「いろんな服を着こなすこと=おしゃれではない」。服が溢れた経験からたどり着いたクローゼットの中身とは?_img1
「服がこのクローゼットから溢れたときは、自分がどんな服を持っているのかわからない状態になりました(笑)」(有田さん)


クローゼットから服が溢れた経験を経て、今の有田さんが服選びで大切にしていることとは?

1. 気に入った服でも色違いは買わない

「購入して1週間以内に2、3回着てみて『これは出番が多くなる!』と思ったものは、もう一枚買うようにしています。買い足すとき、つい2色持っていた方がいいかな? と思いがちですが、絶対に色違いは買わないと決めています。色が違うと素材やサイズ感が微妙に違ったりするので。試着してから買いたいので、基本的にはネットではなくリアルで買うようにしています」


2. 似合わない色は潔く諦める

「カーキやブラウン系など、自分の顔がくすんで見える色は素敵だなと思って買っても結局着なくなってしまうので、潔く諦めるようになりました。自分に似合わない色を知っておくと、洋服選びも失敗しにくくなると思います」


3. バリエーションの幅を広げなくていい

「たくさんの服を持っていて、いろんな服を着こなせることがおしゃれだと思っていた時期もありましたが、一周まわって私はシンプルに身軽に生きていきたいんだと自分の中で何度も納得したので、着こなしの幅を無理に広げなくていいと思うようになりました。いつも似たような格好でも、自分に似合う服を着ている人って素敵ですよね。なので今の私のスタイルは、ちょっと着回しできるスティーブ・ジョブズのような感じです(笑)」

 
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