パートナーとして関係を続けるために一致させておきたい価値観は?

――ミモレ世代の悩みでは、“パートナーとあまりにも価値観がずれていたことに気づいた”もしくは“価値観があう人が見つからない”というのを聞きます。お二人は、どういう部分で大きな価値観が一致しましたか?

僧侶・西村宏堂が同性婚したコロンビア人パートナーと語る「自分に素直に生きる方法」_img0
結婚の手続きをしたボゴダの公証役場にて。

西村:まず旅行が好き。いつも成長したいと思っている。“お互いを信頼しあえる関係が大事”と考えているところが一緒なのです。そういう部分が私にとっては一番重要なところなので、何度か指摘しても彼が歯みがき粉の蓋を閉め忘れてしまうのは許せるのですよ(笑)。

フアン:たしかに些細なことはありますが、何を大事にして生きているのかという、軸となる価値観が一緒であることが良かったのだと思います。

――ふだんは、喧嘩をされたりしないのですか?

西村:彼はすごく感情的になることもあります。私は占星術に興味があって彼の性格を調べてみたことがあります。(Keikoさんの占星術プログラムで知ったことで表現すると、)運とチャンスの入り口であるアセンダント、愛を司る金星、情熱を司る火星が感情的で徹底追求するさそり座です。さそり座の人は燃え上がるような情熱家だそうです。でも私は、どちらかというと落ち着いて話し合い、感情をコントロールするのが得意です。冷静で理知的とされる星座の下に生まれたようです。でも逆だからこそ、そうやって彼の感情や情熱をあらわにできるストレートさも、素敵だなと感じますし好きなのです。

 

――信頼しあっている関係だから、他では見せない感情をオープンにできるのかもしれないですね。

フアン:は彼と出会った時、“他人に対してこんなに親切な人がいるんだ! “って驚きました。相手の意見を尊重できるって、本当は難しい。表面的には親切な人には出会ったことがあったけれど、彼みたいに心の底から優しい人には初めて出会った。同性愛者は、社会から虐げられたり変な目で見られたりすることもありますし、時にはいじめに遭うこともある……。その経験から他人を嫌いになったりすることもあるのに、悲観的にならずに誰に対してもフラットで優しい。そういった素敵な心が彼には在るのです。