5歳の女の子・ロッタちゃんと相棒であるブタのぬいぐるみ・バムセが繰り広げる、愉快な日々が描かれたスウェーデンの映画『ロッタちゃん はじめてのおつかい』(1993)と『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』(1992)。この映画は、2000年に日本で公開されると大ヒットし、バムセのぬいぐるみも大ヒット商品に。20年以上の時を経て、現在この2作品が2Kリマスター版となって公開中です。
ミモレ読者にも当時映画を観たという方や、観ていないけどふくれっ面の女の子に見覚えがある、バムセのぬいぐるみは知っているという方もいるのではないでしょうか。筆者はバムセのぬいぐるみを持っていたけれど映画は観たことがありませんでした。今回この2作品を観たところ、いとおしくて胸がギュッとなるストーリーと、おしゃれなファッションやインテリアが最高にかわいくて、30年以上前に作られた作品とは思えないほど新鮮だったので、ぜひご紹介させてください!
ロッタちゃんと周りの人々が愛おしい!
ロッタちゃんは5歳の女の子。3人きょうだいの末っ子で、パパとママと5人で暮らしています。このロッタちゃん、まあ気が強くておこりんぼう。セーターがチクチクするといっては怒り、風邪だから出かけちゃダメと言われては怒り、まだ小さいから自転車には乗れないと言われては怒り……。ちょっと困った子ではあるのですが、「ママのばか!」などと家族に言うだけでなく「ばかなセーター!」「ばかなじてんしゃ!」と物に対しても怒っているのが可愛くてクスッとしてしまいます。
そして、怒られてそのまま言うことを聞くようなロッタちゃんではありません。セーターをハサミでじょきじょきと切り(しかも犬のせいにしようとする)、家を出ていくというとんでもない行動に出ます。お隣に一人で住んでいるおばあさん・ベルイさんのところに行って家出宣言、ベルイさんの家の物置の2階で一人暮らしを始めてしまったり、これまたベルイさんの物置にある自転車(どう見ても大人用)を出して乗ろうとしたり……。叫び、地団駄を踏み、気に入らない物を蹴ることも。観ているこっちがヒヤヒヤしてしまいますが、一人暮らしをはじめたベッドで内心おびえながら「自分の家を持つのはいいことよ」なんていう5歳とは思えないセリフを言うのには妙な感動をおぼえます。
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