とどまることを知らない韓国ドラマブーム。当記事は、ライター・小澤サチエが、韓国俳優やドラマの魅力を語ります。

今話題の韓国ドラマ……といえば、キム・スヒョンとキム・ジウォン主演の『涙の女王』。脚本は『愛の不時着』のパク・ジウン。

さすが『不時着』の脚本家……と思わず唸ってしまう秀逸なストーリー展開や、キム・スヒョンをはじめとする俳優たちの素晴らしい演技力が高く評価され、世界中で大ヒット中!

『涙の女王』はなぜ人々を魅了するのか、その魅力に迫ります。(一部、ドラマの内容に触れています)

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『涙の女王』の魅力① 「愛が冷え切った夫婦が、再び恋をする」という新鮮さ


『涙の女王』のあらすじは……
キム・ジウォン演じる冷酷な財閥令嬢ヘインと、キム・スヒョン演じる平社員の主人公ヒョヌ。ふたりは身分の差を乗り越え、「世紀の結婚」を果たしますが、3年後にはその関係がすっかり冷え切り、離婚寸前。そんなある日、夫婦に訪れたある危機的事態をきっかけに、ふたりの関係が再び動き出す……というストーリー。

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主人公は、結婚3年で愛が冷め切った夫婦のふたり。まず、恋愛ドラマといえば、未婚の男女が主人公なのが一般的ですが(不倫ドラマは除く)、その常識をあっさりくつがえしてくる斬新な設定に、第一話から驚きました。
 

 


すっかり愛が冷めた二人の描写に並行するようにして、結婚当初のラブラブ時代の回想シーンも登場します。

たった3年前なのに、現在とあまりに違いすぎて、最初は「たった3年でこんなに別人のように険悪になってしまうなんて、一体何があったの……?」という疑問が生まれましたが、すぐにハッとしました。

「恋愛感情は3年で消える」「魔の3年目」なんていう言葉があるとおり、3年というのは、ラブラブだった二人が冷え切るのに十分な期間であることを思い出しました。私自身もバツイチなので身を持って知っているはずなのに、すっかり忘れていた……。

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そしてこのドラマが本当に面白いのは、すっかり冷え切って離婚にまで追い込まれた二人が「もう一度恋をしなおす」という新鮮なストーリー展開。

きっかけとなったのは、夫・ヒョヌが離婚を切り出そうとした夜、妻・ヘインが「自分は余命3ヵ月だ」と告げてきたことでした。それまでヘインを憎み、悪態ばかりついていたヒョヌは、「あと3ヵ月の我慢だ」と思い直して離婚を踏みとどまり、態度を改めます。 

さらには、突如夫婦の前に現れたユン・ウンソンというライバルの存在によって、ヒョヌは嫉妬心をくすぐられたり、難病を患うヘインのことが次第に放って置けなくなったり……。二人の関係は再び動きはじめ、愛を取り戻し始めるのです。

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結婚はやはり恋愛とは異なり、ただお互いを好きなだけでは切り抜けられない出来事がたくさんありますが、そうした過程で愛を忘れていってしまうのかもしれません。しかしヒョヌとヘインを見ていると、表面的には冷え切っているように見えても、根底にはお互いを思いやる愛があります。

一度冷めた夫婦の愛が、二人のように再燃する可能性もゼロではないのかも……!? 「夫婦の恋愛」というテーマは、既婚の視聴者たちにとって、決して他人ごとではないでしょう。

胸キュンシーンもたくさん登場します。口では妻のヘインを嫌いだと言いながらも、いつも全力で彼女を守るヒョヌの行動には愛が溢れています。まるで王子様のようなキム・スヒョンに、何度ときめいたことか……!

本当はお互いに想い合っているのになかなか素直になれず、もどかしい二人のやり取りも、まるで青春カップルを見ているみたい。奇跡のようなラブストーリーに、たくさんのときめきや感動を覚えたのでした。

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