憲法が守っているもの=自由


立原 憲法が権力者を縛ることで守ってくれているもの。ひとつは「平和」、もうひとつは?

 「自由」、つまり基本的人権です。憲法は、たくさんの自由・権利を保障しています。19条「思想及び良心の自由」、20条「信教の自由」、21条「表現の自由・知る権利」、22条「居住、移転及び職業選択の自由」、23条「学問の自由」、などなど。
国家権力を憲法で縛っているから、私たちは国家権力からああせよこうせよと言われず、自分のことを自分で決めて、自分らしく暮らすことができるのです。

渥美 前回、「天賦人権説」の話がありました。人権は、人間が生まれながらにして持っているものだと。

 そうです。だから、本来は、憲法にいちいち「〇〇権がありますよ」と書かなくても、私たちは人間なのですから、当然人権を持っているのです。でも、憲法にはたくさんの人権規定が書かれています。歴史上、国家権力によってたびたび人権が侵されてきたので、「もう二度と、国家権力はこれを侵さないでね」と、人権規定をわざわざ書いて念押ししているんですね。

渥美 私たちの暮らしは、憲法によって守られているのですね。

楾 そういうことです。ただ、憲法で守られているなら安心だ、で終わってはいけません。主権者として「憲法を使う」「自分の権利を使う」ことが大事です。

立原 「憲法を使う」というのは、たとえばどういうことですか?