日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、学歴にまつわるモヤモヤエピソードです。
「大学行ってない人は黙っててよ」
エピソードをお寄せくださったのは、大学受験を控えた娘さんがいるというイクミさん(54歳・主婦)。
高齢出産で産んだ一人娘も、今年高校三年生。付属の大学には進学せず、外部受験にチャレンジするそうです。
受験勉強が本格化してピリピリしているせいだと思いますが、私に対する当たりがとても強くなっています。食事の支度や部屋の掃除・塾の送り迎えなど献身的に娘を支えているつもりなのですが、何が気に食わないのか暴言がひどくて……。
「今の女の人は一生働かなきゃいけないのに、お母さんは専業主婦で気楽だよね」
「大学行っていない人にいろいろ言われたくないんだけど」
特に娘が馬鹿にするのが、私が高卒だということ。時には、夫(そこそこ有名な大学を出ています)も一緒になって、「お母さんは高卒だからね」なんて言ったりして……。
私は高校卒業後、すぐ実家の町工場で働きはじめました。勉強が嫌いなわけではなかったのですが(本を読むのは大好きでした)、数学でつまずいてからなんとなく進学への意欲が薄くなってしまって……。貧乏とまではいかないまでも豊かな暮らし向きではありませんでしたし、親に無理させて学費を出してもらうより、人手不足だった家業を手伝った方がいいのではないかと思ったのです。
同級生のお母さんはワーキングマザーが多いので、娘は私のことが恥ずかしいのかもしれません。私にとっても、大学で学んでいないことはコンプレックスです。一方で、私立高校に通うことができて、塾に行けて、大学受験ができる娘は恵まれていますよね。それを外で働く夫だけのおかげだと思っているのであれば、寂しいです。
思春期のイライラは仕方ない?でも…
身の回りの世話をして、受験勉強を応援してくれるお母さんに、学歴を馬鹿にするようなことを言うなんて……。思春期の子たちがイライラ・グラグラしがちなのはホルモンのバランスの影響もあるとはいえ、ちょっと聞き捨てならないですね。
「お母さんは高卒だから、この苦労を経験していないんだ!」と八つ当たりしてしまっているのでしょうね。大学受験は大変ですから、娘さんの気持ちも確かに分からなくはありません。
とはいえ、献身的に尽くしてくれるお母さんを傷つけている自覚がないのであればそれは問題です。さらに言えば、今はむしろ「多様性」が重視される社会。いろいろな経歴の人と一緒に共生していけることが大切になってきますから、「自分と違う」「多数派ではない」ことを馬鹿にしたりけなしたりする態度は、娘さんの将来のことを考えるとよろしくないように思います。
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