普段は優しいのに、他の女性をとことん貶す夫
 

「夫とは、以前私が働いていた飲食店で出会いました。夫の職場から近い和食のお店で、彼がよくランチに来てくれたのがきっかけで仲良くなったんです」

お話から想像するに、おそらく夫は可愛らしい麻衣さんに惚れ込んだのでしょう。麻衣さんは当時彼から猛烈なアプローチを受けたそうですが、コンサルティング会社勤務で優秀、上品で優しく、さらに誠実さと包容力を十分に感じられた彼に彼女も自然と好意を持ちました。

当時37歳だった夫は20代の頃に離婚を経験していましたが、子どももおらず、また短期間の婚姻生活だったようで、麻衣さんは特に気に留めることもなく交際に発展。そしてなんと、その2ヶ月後に妊娠が発覚しました。

「早すぎる妊娠に戸惑いましたが、でも当時の夫は、まるで王子様のように見えていたのでほとんど迷いはありませんでした。優しくて素敵な人、世界で一番私を愛して大切にしてくれる人と思っていたので、これは運命だと感じました。私もまもなく30歳という年齢で、結婚するにはちょうどいいとも思いました」

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交際は短期間、さらにお二人の恋愛はかなり盛り上がっていたと思われますが、その後酷い束縛をされる予兆などはなかったのか気になります。

「おっしゃる通り、当時は気持ちが高まっていて嫌な思い出などはほぼないですが……。思えば、彼はいつも私のことをすごく褒めてくれるのですが、その前提に誰かと比較して貶すんです。その貶し方が、普段の上品な彼からすると、かなり意地悪で下品な感じで。

例えば、会社で気に食わない女性の人に対して、『男勝りで空気が読めない上にブスで迷惑。ああいう女は数年男に抱かれてないだろうな』とか、こういうことをサラッと言うんです。『それに比べて、麻衣ちゃんは女らしくて可愛くて、まるで女神だよ』とか」

特にお酒が入ったときなど、夫は主に女性に対して悪態をつくことが度々あるそう。身近な仕事がデキる女性、また社会で活躍する女性、またSNSのインフルエンサーなどに対しても「ブス、デブ」「馬鹿、学がない」「育ちが悪い、筋が悪い」「モテない」という言葉を頻繁に発するのだそう。

 

しかしながら、麻衣さんを褒めるときも非常に言葉巧みであったこともあり、当初は受け流してしまったようです。

「妊娠が発覚すると夫はとても喜び、すぐに結婚することになりました。結婚式は急なこともあり家族だけで小規模でしたが、指輪やドレス、また新居などもかなりお金をかけくれ、親も『良い人を見つけたね』と喜んでいました。

また、身体に負担がかかるから接客業はやめて欲しいと言われ、飲食業は辞めました。でも夫は仕事自体して欲しくないというわけではなく、知人が紹介してくれた編集プロダクションでアシスタントの仕事をすることになりました。

後からわかるんですが、彼はなるべく私を人目に触れないようにしたいけど、かと言って家計をすべて自分が持つのは嫌みたいなんです」