デジタルそのものが新奇体験
「デジタルによって脳を若返らせる、元気になる」というのは、実はその仕組みはとてもシンプルです。それは、スマホなどのデジタル機器そのものが、デジタルに馴染んでこなかったシニアにとっては刺激ある体験だからです。
スマホに触れたことがない人にとっては、スマホを手に取ってタップするだけでも新奇体験です。カメラ機能を使ってみたり、アプリをインストールすることも新奇体験であることは言うまでもありません。
大前提として、どんな使い方であっても、シニアにとってはスマホを使うこと自体が新奇体験であり、すでに脳のトレーニングになっていることは忘れないでください。
この事実は、若者にとってのスマホのあり方と比べると、とても対照的であることがわかります。
若者にとってのスマホがよくないと言われる理由をまとめると、それは「新奇体験ではない」からです。
ずっとスマホを使ってきた若者にとっては、スマホは新奇性がまったくありません。そして、新奇な刺激がない状態が続くと脳は衰えます。若者がスマホでずっと同じようなゲームばかりをやるのは、脳に新奇な刺激を与えないことであり、だから「よくない」のです。いわゆるデジタルへの依存状態も、新奇性がないものから逃れられなくなる状態を指しています。
しかしシニアにとってのスマホはすべてが新奇ですから、意味は180度変わります。世の中にある「デジタルは脳や身体に悪い」という風潮がシニアに当てはまらないのです。
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