今、子供たちの間で流行っているものといえば、メイク。大人顔負けのシェーディングや涙袋メイクに挑戦する子まで出てきており、いわゆる“遊び”の域を超えて、メイクデビューの低年齢化が加速している印象です。この現象の一端を担っているのが、YouTubeやTikTokなどのSNSであり、どんどん流れてくる情報を子供だちはぐんぐん吸収している状況。キッズ向けの雑誌でもメイクのハウツー企画があるのも当たり前の時代なのです。

【子ども、小学生メイク8箇条】皮膚科医に学ぶ、安全に楽しむために大人が知っておきたいこと_img0
 

となると、やっぱり気になるのがお肌への影響。そこで、近畿大学医学部皮膚科学教室の主任教授である大塚篤司先生のもとへ。肌が未熟な13歳以下の子どもがメイクをするうえで、大人が注意すべきポイントをお伺いしました!
 

 


教えてくれたのは……。

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大塚篤司先生
近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授。医師。コラムニスト。
信州大学卒業、京都大学大学院修了後、チューリッヒ大学病院での客室研究員や京都大学医学部特定准教授を経て、2021年より現職に。アトピー性皮膚炎を含む皮膚アレルギーの分野を専門とし、ニキビ治療や日焼け止についてなど私たちの日々に有益な情報の発信も積極的に行う。『アトピーの治し方』(ダイヤモンド社)をはじめ、著書が多数あり、新著に『医師による医師のためのChatGPT入門 臨床がはかどる魔法のプロンプト』(医学書院)。

  



① コスメは必ず一緒に選ぶ。キッズ用や敏感肌用がベスト


大塚篤司先生(以下、大塚先生):肌が荒れたり、かぶれる原因として、香料や防腐剤が可能性としてあげられるため、無香料、防腐剤無添加なものがオススメです。キッズ用をうたっているコスメでは考慮されているものが多いのではと思います。また、子供の肌は、大人の敏感な肌状態に近いとも言えるので、ワセリンやセラミドなど皮膚科でも処方される成分をメインとしたIHADAやキュレルといった敏感肌用コスメを選ぶのもありです。子供の肌への刺激が高いため海外では規制されているレチノールやアルファヒドロキシ酸(グリコール酸、アスコルビン酸〈ビタミンC〉、クエン酸など)に加え、アロエ、シカ成分といった特徴的な成分が入っているものや、複雑な処方のものは避けた方がベター。肌に優しそうなイメージがあったりもしますが、大人にはよくても、子どもへの安全性が認められていない場合があります。

② 肌に合わないものは使わない


大塚先生:肌に塗った瞬間やその後、ヒリつくなどの刺激感がある、赤みが出る、ほてるというのは、その子の肌にとっては、合わないということ。“敏感肌用だから大丈夫”“使っているうちに慣れてくる”などと思い込んで使い続けてしまうケースもありますが、そういうコスメに対して、子どもの肌は慣れません。使用するのをすぐにやめましょう。
 

③ ニキビや肌荒れをしているときはガマン


大塚先生:ニキビなどを隠したくて、メイクで覆い隠すのは逆効果。悪化させて炎症を起こすと、場合によっては後々まで残るニキビ跡の原因にもなってしまいます。また肌荒れのときもガマンを。いつもよりも過敏に反応して、より肌荒れをひどくしてしまう可能性があるからです。メイクをするとしてもニキビや肌荒れのない部分に限りましょう。

 
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