今、子供たちの間で流行っているキッズメイクについて、まずは皮膚科的観点からの見解をお伺いしていく中で、トピックスとして上がってきたのが、「日焼け止めは子供の肌にとって負担はないのか?」「ニキビができたらどうすべきか?」のふたつ。近畿大学医学部皮膚科学教室の主任教授である大塚篤司先生から、特に13歳以下の未熟な子どものお肌について、アドバイスをいただきました!

子どもの日焼け止めは肌に悪い?ニキビができているときはどうすべき?親の不安、皮膚科医に聞いてみました【小学生のメイクと肌】_img0
 


教えてくれたのは……。

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大塚篤司先生
近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授。医師。コラムニスト。
信州大学卒業、京都大学大学院修了後、チューリッヒ大学病院での客室研究員や京都大学医学部特定准教授を経て、2021年より現職に。アトピー性皮膚炎を含む皮膚アレルギーの分野を専門とし、ニキビ治療や日焼け止についてなど私たちの日々に有益な情報の発信も積極的に行う。『アトピーの治し方』(ダイヤモンド社)をはじめ、著書が多数あり、新著に『医師による医師のためのChatGPT入門 臨床がはかどる魔法のプロンプト』(医学書院)。

  
 


前回のお話で、子供の肌にとって、ベースメイクを顔全体に塗るのは、負担が大きいため避けた方がいいというお話でした。
 

同じく顔全体に塗る日焼け止めは塗ったほうがいい?塗らないほうがいい?


大塚篤司先生(以下、大塚先生):確かに、日焼け止めも顔全体、そして体にも塗るものですよね。当然、含まれる成分によっては、肌トラブルやアレルギーのリスクもありますが、一方で、紫外線の肌へのダメージは明らか。皮膚ガンなどの疾病のリスクから守るという点でももちろんですが、将来の肌の美しさを守るという点でも防ぐ必要があります。というのも、年齢を重ねてシミやイボができるのは、20代までに受けた紫外線による皮膚のDNAダメージが大きいことがわかっています。もちろん、大人になってからもきちんと日焼け止めで防ぐことも大切なのですが、子供の頃からきちんと防ぐことで、大人になってもトラブルに悩まない健やかで美しい肌状態を保てるのです。そういう意味でも、やはり日焼け止めに関しては、子供の頃からしっかり塗ることが大切だと考えます。
 

日焼け止めの選び方のポイントは?


大塚先生:13歳までの子供の肌は、まだ成長過程で未熟なため、いろんな物質をブロックしきれず、肌の中へ通してしまう可能性があります。そして、肌の中に入り込んだ物質が刺激となって肌が荒れたり、アレルギーのリスクを高めることに。そのため、子供にとって刺激となる成分を除いたキッズ専用のものを選んだり、香料や防腐剤などを控えた大人の敏感肌用のものを選ぶことが大切です。また、子供にとってクレンジングのハードルが高いことを考えると、クレンジング不要のタイプ=石鹸などいつもの洗顔で落とせるタイプがいいと思います。そして、適当に洗顔を済ませるのではなく、石鹸や洗顔料を使って、毎日ちゃんと落とすことを意識するのが大切です

また、ニキビや肌のトラブルがある箇所は避けてメイクを楽しんだほうがいいというお話もありましたが、ニキビそのものはどのようにケアすればいいのでしょうか。
 

高学年になると、ニキビもできてきますが、様子を見ていてよいものですか?


大塚先生:もしニキビが赤くなっているなら、炎症がひどくなっているサインです。この状態を2週間放置していると、のちのちクレーター化したり、ボコっとした瘢痕となったり、いわゆるニキビ跡として残ってしまう可能性が非常に高い。そのため、早めに治してあげるのが、今、皮膚科の中では常識。ニキビの赤みや腫れが数日で引かない場合など、早めに皮膚科を受診することをオススメします。
 

以上が、小学生キッズたちの“肌”を健やかに保つためのポイント。メイクする・しない、男の子、女の子にかかわらず、ぜひ参考にしてみてください!
 


撮影/柏原力
取材・文/楢﨑裕美
 

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