石井美保さん。すでにご存知の方はもちろんのこと、お名前やビジュアルをいろんなシーンで見たり聞いたりしたことがある方は多いのではないでしょうか。美容家として活動する彼女は、大袈裟ではなく、間近で見ても毛穴が見当たらず、フェイスラインにゆるみがなく、そして常に凛としていて、心から「美しい」と思ってしまう存在。そして何を隠そう私たちと同じ、ミモレ世代。「生まれつきでしょ?」「美容医療をガンガンやっているんでしょ?」そんな印象を持たれるかもしれませんが、彼女の美肌を支えているのは、日々の『こすらない』メソッドなのです。

6月21日発売の新著『スキンケアで肌を毎日いためていませんか? こすらなければ、美肌』は、彼女自身が続けてきたことであり、今の肌を叶え、そして、多くの方の肌を変えてきた「こすらないメソッド」の最新版であり、決定版。スキンケアをする全世代向けの一冊ではありますが、40代半ばを超え、50代が見えてきた今、欠かさずしているという最新メソッドまで網羅しており、同世代の私たちにもためになることがたくさん。今回は、あらためて、ミモレ世代に向けて、エイジングを加速させないだけではなく、肌をもっと美しくできるというメソッドのポイントをお伺いしました。


第2回「【石井美保】40歳を目前に感じた変化。そして、始めたこと、辞めたこと」>>

【石井美保】ミモレ世代こそ向き合いたい、自分の肌を好きになるためにすべきこと_img0
 

石井美保
1976年生まれ。トータルビューティーサロン「Riche」のオーナーかつ人気美容家として、美容誌をはじめ各メディアで活躍中。根っからのコスメオタクで、スキンケア・メイクを問わず幅広くコスメに精通。独自の「こすらないスキンケアメソッド」を提唱し、赤み・ニキビ・シワ・たるみ・毛穴など、これまでに約2000人の肌悩みを改善してきた。その透明感あふれる美肌は、あらゆる世代の女性の憧れを集め、著書『一週間であなたの肌は変わります 大人の美肌学習帳』(講談社)はベストセラーに。フォロワーと積極的にコミュニケーションを行うインスタライブも話題で、フォロワーは31.6万人(2024年4月時点)。Instagram@miho_ishii

 

 


現実から目を背けたくなるミモレ世代こそ、鏡で肌を観察してほしい。それが肌が変わるきっかけに

――年齢を重ね、選ぶコスメは変わっても、若い頃に覚えたスキンケアのやり方を当たり前のように繰り返している方が多いように思います。その一方で、「毛穴のたるみ」や「赤み」など肌の悩みが尽きないどころか、どんどん増えるという現実にも向き合っています。

石井美保さん(以下、石井):確かに40歳ごろから「もう自力では肌は変わらないのでは」と不安を感じるようになりますよね。忙しくて時間に余裕がない中でスキンケアをされているケースも多く、鏡を見ず“ながら”でしている方も多いのではと思います。でも、40代でも50代でもいくつでも、鏡をちゃんと見て、肌との向き合い方を変えていけば、肌は変わっていくのです。

――鏡ですか……。確かに現実を直視したくない理由から、ちゃんと見てない気がします。

石井:「もう若い頃の肌には戻れない」「老けていく一方」と思っているとなおさらですよね。むしろ見ない方が、心の健全を保てる気がするのもよくわかります。でも、やっぱり肌を見て観察することが大事。そして、自分の肌状態を認識することで、スキンケアに対しての意識がおのずと変わっていくのです。洗顔後やお風呂上がり、そのままの流れで化粧水をざっと塗る方も多いと思いますが、洗顔後、ぜひ鏡で肌を観察してみてください。「赤みがある」「フェイスラインがゆるんでる」「毛穴が開いている」「肝斑が濃い」「くすんでいる」など、まず自分で把握することで、自分の肌の改善ポイントが明らかになっていきます。そして、認識したうえで、毎日ケアを続けていると、肌がきちんと応えてくれるし、「昨日よりも赤みが少ない」とか「いつもより透明感がある」といった、日々の細かな変化にも気づけるようになります。そうなると、もう一度、肌と向き合ってみようという意欲が湧いてくるはず。だからこそ、ミモレ世代には、じっくりと鏡と向き合うところから始めてほしい、と思います。


――ただ鏡を見るだけではなく、ちゃんと意識しながら見ることが大事なんですね。

石井:そうなんです。さらに、化粧水をバシバシたたき込んでいるときに顔にシワをつくっていたり、美容液やクリームをなじませるときに肌がよれていることに気づくことも。この「ヨレ」や「シワ」をつくる行為こそ、肌をこすり、摩擦を起こしている証拠。そして、炎症を引き起こす原因なのです。多くの皆さんが感じている赤みは、ヒリヒリしたり、痛かったりという深刻な症状を伴うというよりは、うっすらと気になる程度ではないですか? でもこれこそ、微弱ではありますが、肌の中でボヤのように炎症がずっと起こり続けているサイン。そして、この毎日の摩擦で起こり続けてる微弱な炎症こそ、肌荒れや赤みを引き起こすだけではなく、エイジングサインを加速させることが、化粧品会社の最新研究ではわかっているんです。

 
  • 1
  • 2