フランスのシンガソングライターで、モデルや女優としても知られるフランソワーズ・アルディが６月11日、80歳で死去。彼女が歌うアンニュイなフレンチ・ポップとおしゃれのセンスはミック・ジャガーやデヴィッド・ボウイも夢中にさせ、フレンチ・ガールスタイルの代名詞と呼ばれる国民的アイコンでもありました。
18歳のときに書いた1962年のデビュー曲「Tous les garçons et les filles（男の子と女の子）」でブレイクし、歌手、女優として活躍。60〜70年代にイギリス出身のジェーン・バーキンと共に、ノンシャランなパリジェンヌのイメージを作り上げました。また、パコ・ラバンヌやイヴ・サンローランのミューズとしても知られています。
フランソワーズもジェーンも厚めのバングスを作ったストレートロングヘアやデニムの着こなし、ミニスカートルックなどが似ていますが、実際ジェーンはフランソワーズと間違えられたことがあり、嬉しかったのでそれを訂正しなかったという逸話が。
音楽シーンでも絶大な影響力を持ち、ローリング・ストーンズやビートルズのメンバーたちに崇拝されたフランソワーズ。ミックには「理想の女性」と呼ばれ、ボブ・ディランは1964年のアルバム「Another Side of Bob Dylan」の裏ジャケットに彼女に宛てた恋文を書き、1966年の自身の25歳の誕生日のフランス公演の際には、「彼女が楽屋に会いに来ないならステージに戻らない」と言い出したとか。
そしてあのデヴィッド・ボウイも1997年のインタビューで、「僕は長い間、情熱的に彼女に恋していた」と告白しています。歴代の大御所スターばかりではありません。ブラーのアレックス・ジェームズも、90年代半ばにバンドメンバーたちとフランソワーズに会ったことを自伝の中でこう回想しています。
「彼女は本当に美しい女性で、50歳前後でエルフのように痩せていて、自信に満ち溢れながらも繊細だった」。そして「フランスには王室がないが、もし存在するならば間違いなく彼女が女王として君臨するだろう」とも。
大物ミュージシャンたちにここまで恋焦がれられるフランソワーズ、本当にものすごいカリスマ性の持ち主だったことがわかりますね！ 2023年には米『ローリングストーンズ』誌で「史上最も偉大な歌手トップ200」リストに、フランス人歌手として唯一ランクインしています。
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