ハンデがあると、土俵にあがりづらい!
そんな、条件先行型、強者が強者とマッチングする今の社会では、
例えば
・低収入
・多額の奨学金を抱えている
・持病や障害がある
・毒親
・家族を介護する必要がある
みたいな事情を持った人たちは、土俵に乗るのにめちゃくちゃ勇気がいると思うんです。スタートラインに立てないというか、どんどん隅に追いやられて行く気がします。「好きになっちゃったから」というエクスキューズがないと、自分からは手をあげにくいですよね。
悪気のない選民意識の威力
知人との何気ない会話で、こんな発言が飛び出したことがあったんです。
「結婚相談所のいいところはね、子どもには何の非がなくても、親に問題がある場合とかをはじいてくれるところよ」。
これを聞いたとき、なんだかすごくショックだったんですよね。その人は高級住宅街に住んでいて、「家柄」を目当てに子どもに縁談の話が来るくらい、いわゆる「良家」(嫌な言葉ですが)の人。だから、無意識の「選民意識」みたいなものがあるんだと思います。でも、子どもは親を選べないし、色んな事情を抱えた人がいる。みんな、事情を背負いたくて背負っているわけじゃない。自分がどうしようもないところで判断されてしまうって、ものすごく残酷なことだと思います。ましてや人生を左右するパートナー探しという問題で。そういったことにあまりに無自覚というか、想像が及ばないんだなと思ったんです。自分が結婚したいと思った人の両親から、「おたくは問題があるからうちの子どもとは結婚させられない」みたいに言われたらどう思うでしょう。「自分ははじかれる側ではない」と信じて疑わないから、そういうことが言えてしまうんだろうと思います。
ネットでの出会いの可能性は無限に広がる一方、食事に誘うのもハラスメントになりかねない状況で、リアルな出会いでは関係性が発展するのがめちゃくちゃ難しい現代。果たして、ハンデを抱えた人たちはどうやってパートナーを見つけたらいいのでしょう。
写真:Shutterstock
文・構成/ヒオカ
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