――ブラッシングしていたら手でのマッサージは不要ですか。
伊熊
私は手でもマッサージしています。後頭筋、側頭筋、前頭筋、そして頭頂部にある帽状腱膜まで、指の腹や手の付け根を使って大きく頭皮を動かすように万遍なくマッサージ。すると固くなっていた筋肉がほぐれて柔らかくなり、血流もアップして頭皮が動くようになりますよ。頭痛が緩和されたり、目の疲れもとれて、体全体が軽くなる効果もあるからぜひやってみてください。
伊熊
頭皮をしっかり刺激したり、血流を改善するものが増えています。EMSは凝り固まった筋肉を動かしますし、赤色LEDは効果を検証した論文もあり、薄毛治療のガイドラインでも評価されています。その両方がついているとなおいいですよね。
赤色LEDを頭皮全面に当てられる!
120個のLED電球が18J/cm2の正確な赤色の波長を頭皮全体に万遍なく照射。毎日10分、約16週間連続使用で結果が期待できるので悩みが深い方にはオススメしたい。意外と軽くて仕事しながら被ることもできる。
頭皮、顔、ボディとマルチに使える
頭の形に添わせやすい扇形形状のブラシが頭筋をしっかり捉える。低周波EMS×中周波EMSとエレクトロカレントでしっかり刺激してくれる。お風呂でも使える防水仕様。
人の指をイメージした「カミガハンド」で刺激後に赤色LED照射
大阪大学との赤色ナローバンドLEDを利用した共同研究で知られるアデランスならではのドライヤー。シャープ独自のプラズマクラスターの作用で髪とブラシに発生した静電気を低減したり、温度を自動調節するセンシング機能も搭載。
発毛促進因子「FGF7」を導入
――食事で気を付けるべきことはありますか。
伊熊
〇〇だけ食べる、など不自然な単品ダイエットをするとてきめんに髪の毛に影響が出るので注意。タンパク質、脂肪、糖質と三大栄養素をバランスよく食べることが、肌にも髪にもいいのです。
伊熊
毛髪とそのメラニン色素によって頭皮と内側の脳は熱や外敵から守られています。ただ分け目の頭皮はむきだしですから、分け目は毎日場所を変えておきたいですね。
一方で髪の方はカラーリングしているとメラニン色素は壊されていますので、注意が必要。連日紫外線を浴びていると、せっかく入れたカラーも色抜けしますし、ダメージにつながります。帽子や日焼け止め必須です。
A 汗、水、空気中の水分に反応してUVブロック膜が強化
顔、身体、髪用。スーパーウォータープルーフで、擦れにも強く、海に流れ出にくいオーシャンフレンドリー処方。せっけんで落とせるのも嬉しい。
アネッサ パーフェクトUV スキンケアスプレー NA 60g SPF50+・ PA++++¥1958<編集部調べ>/資生堂
B ライム&ティーツリーの香りでさらりとした使用感
顔、身体、髪に使用可能。スーパーウォータープルーフ処方で湿気や汗による髪の広がりを防いでくれる。クールな使用感が夏に心地よい。
ハレマオ UVカットスプレー LT COOL SPF50+ PA++++¥1320/デミ コスメティクス
――頭皮ケアでその他取り入れると良いものはありますか
伊熊
ディープクレンジングはヘアサイクルを正常に戻し、髪の立ち上がりも改善するので週1-2回使うといいですよ。シャンプーやトリートメントなどは自分の髪のお悩み別に選べば大丈夫! 特に悩みがないなら「スカルプケア」系を選んでください。酸化した皮脂や古い角質を落とすことはとても大切。毛髪が成長しやすい頭皮環境を整えておきましょう。
――その他、薄毛に悩む読者にアドバイスがあれば教えてください。
伊熊
「何を使うか」に比重を置きがちですが、それよりも「自分がどうやっているか」に注目してみましょう。
洗髪するとき、毎日同じ手の位置で、同じところにシャンプーをつけて、同じ方向からシャワーを当てていませんか。もしそうならば、いつも手や泡が行き渡っていない場所がある可能性があります。逆の手を使ったり、つける場所を変えたり、シャワーの当て方の角度を変えるなど、いつも同じやり方にならないように意識してみましょう。頭皮ケアは特別なことではなく、スキンケアの応用です。「洗浄・保湿・血行促進・UVケア」これを日々、その日の体調や頭皮の状態などに応じてストレスにならない程度に地道に続けていきましょう。
――最後に、次回はサロンケアを紹介する予定です。ヘッドスパなどプロによるヘアケアについてどう思われますか。
伊熊
医療ではないので直接的に薄毛が治るというものではないけれど、マッサージでめぐりを高め、酸化して落ちにくくなった皮脂を落として頭皮をリセットすれば、毛髪の成長にとっては最高の環境になるわけです。また自分では見えない頭皮をしっかり見せてもらい、薄毛などのトラブルに早めに気付ける機会にもなります。大人の場合は自分へのごほうびとしてスポットで行くよりも、月に1回程度の定期的なメンテナンスとして行けたらベストだと思います。
撮影/水野昭子
ヘアメイク/榎田茉季(ROI)
モデル/岩上美香
構成・文/中田ゆき
前回記事「ミドル世代女性にとって「薄毛」は当たり前の現象!? 発毛治療専門クリニックに【薄毛の基礎知識】を聞いてみました」>>
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