「ユニークで鋭い洞察を得ている」と、表面的で安易な結論は言わない

「仕事ができる人」に備わる3つの特徴とは?思考の「解像度」を上げられるかどうかがカギ_img0
 

「解像度が高い人」は、第一に「物事が細かく見えている」と申し上げましたが、実はこれだけでは「解像度が高い人」の特徴としては十分とは言えません。

「解像度が高い人」の2つ目の特徴に、「ユニークで鋭い洞察を得ている」という特徴があります。例えば、私があるコピーライターの方から聞いた話です。

その方に、「コミュニケーションにおいて、大事なことは何ですか?」と聞いたときのことです。私は「言い方・伝え方を工夫する」といった答えが返ってくるものかと思っていました。実際、「解像度が低い人」はこのような「安易な意見」を言うでしょう。

しかし、そのコピーライターの方から返ってきた答えは、

「相手の“欲望のベクトル”を意識する」

というものでした。つまり、

「人というものは感情を持つ生き物で、話しているその時々で“こうしたい”という『無意識の欲望』を持っている。それを無理に曲げないことが、こちらの話を聞いてもらうためには大事」

ということです。
 

 


たしかに、「同じ言い方・伝え方」をしているのに、Aさんは感じよく映って、Bさんは感じが悪く映る、ということが頻繁にあります。「言い方・伝え方」では説明できないこういった現象が起きている以上、「言い方・伝え方」はコミュニケーションの本質ではない、ということなのでしょう。

では、何がコミュニケーションの本質なのか。

おそらくこのコピーライターの方は、これまで膨大な「コミュニケーション」を見てきて、すべての成功している(あるいは失敗している)コミュニケーションの共通点を説明しようとすると、この「欲望のベクトル」というものが関係している、ということに行き着いたのだと思います。

何か一つのものだけ、あるいは表面的な見やすい所だけを見て「安易な結論」を言うのではなく、物事の背景に隠れた「本質」を見抜く。こういった、思わず周りが「ハッ」としてしまうような「鋭い洞察」を持ち合わせているのが、「解像度が高い人」です。