「物事をわかりやすく伝えられる」が欠けると、ただの「意味のわからないことを言っている人」

「仕事ができる人」に備わる3つの特徴とは?思考の「解像度」を上げられるかどうかがカギ_img0
 

「解像度が高い人」の備える特徴3として、「物事をわかりやすく伝えられる」という要素があります。

これまでお話ししてきたことは、特徴1も特徴2も「99%の人には見えない」という事例でしたが、ただ本人に見えているだけでは、周囲から「解像度が高い」とは見なされません。なぜなら、「その人に見えている」という事実が、第三者には説得力を持たないからです。

特徴1と特徴2は、「他の多くの人には見えないものが見えている」からこそ価値を持つわけですが、その「他の多くの人に見えないもの」を「他の多くの人」にもわかるようにしなければ、単に「意味のわからないことを言っている人」になってしまいます。

その点、「解像度が高い人」は、「自分に見えている(かつ99%の人には見えない)もの」を、あたかも見えているかのように「わかりやすく伝えることができる」能力があります。
 

 


お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんは「解像度が高い人」の代表です。西野さんは、お笑い芸人の他に、俳優・絵本作家・小説家・作詞家・企業経営者などマルチに活躍しています。

その西野さんが近畿大学の卒業式に招かれてスピーチをしたときの話です。そのとき、西野さんは卒業生に贈る言葉として「人生に失敗なんかない」というメッセージを伝えたのですが、これが後に「伝説のスピーチ」と呼ばれ、広く知られるようになりました。

かいつまんで紹介すれば──西野さんは「時計台の大時計の長針と短針が重なるのは1日に何回あるか?」というたとえ話をします。1時台なら1時5分、2時台なら2時10分……という具合に、毎時約5分ずつずれながら針は重なっていきます。短針が一周するのに12時間かかります。1時間に1回ずつ重なるとしたら、単純に考えると1日に24回重なりそうなものです。

ところが、正解は22回。

なぜなら、11時台には長針と短針が重なるタイミングがありません。重なったときには既に12時になっているからです。12時になると、時計台の鐘が鳴ります。