バラエティーの正解に馴染めなかった
藤原:私達3人は出会ってまだ半年も経ってないぐらいで、誰も何も計画していなくて、とにかく、もうやってみるしかなかった。どんどん扉が開いていくって感じだったので、その都度誰かが決断して実行しなきゃいけないときで。じゃあ敏腕ですみたいな人が現れて、私達をプロデュースしたとしても、どうなってたんだろう。
もし、ちょっと手を抜いてたことがあったんだったら、あれをこうしてたらこうなってたかもっていう悔しさはあったでしょうが、本当にベストを尽くしていたんです。
ーいち視聴者としてはたから見ていると、例えば全盛期のアイドルが卒業しますとなると、もったいないなって思ってしまいます。藤原さんもあのタイミングでやめるって、すごいことだったと思うんですけど、後悔はないですか。
藤原:後悔はないですけど、今でもそのときのことは考えたりします。
ブルゾンちえみとwith Bとしてネタをやってる自分と、タレントとしてテレビに出て「美味しいです」と言ってる自分は、すごく別の仕事をしていたなあと。
ネタを披露したり音楽番組でパフォーマンスをしたりすること、いわゆる作品を披露することは楽しく、得意なことでした。だけどバラエティー番組での本音と建前のバランス、それが私には難しかった。だけど当時タレントの仕事の方が中心になっていたので、冷静になるためにもタレントとしてのブルゾンちえみをちょっと一旦、幕の後ろに連れて行きたかった。
ーでも自分で完全に主導権を握って、ここからはやらないとか決めることができない状況に置かれていたわけですよね。
藤原:そうですね。ブルゾンちえみというものが自分ひとりの問題ではなくなっていたので。だから、一度ひとりになって自分で選択できるようになるためにやめざるを得なかった。もしやめてなかったら、って考えたりしますけど、結局こうなっていただろうなと思います。
契約が満期のタイミングで事務所を退所することにしました。世の中では芸能界をやめた、芸人をやめたという報道のされ方が広まってしまって。「事務所を辞めただけなんだけどなあ」と思いながら。でもそれを1個1個違いますよって、できるわけでもないし、もうやめたって言うんだったらやめたでいいよみたいな。当時は訂正する気力もないぐらい疲弊していたんです。それよりも、まず休むことと一旦離れて冷静になることが、そのときの自分には必要でした。
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