根性論を振りかざす上司は現実から目をそむけている!?

「根性論を振りかざす上司」は現実逃避、「言われたことしかしない若手社員」は傷つきたくないだけ!?職場を腐らせる人の真の姿に迫る_img0
 

片田さんが職場を腐らせる人の一例として挙げたのが、「根性論を振りかざす上司」です。その具体例として、食品会社で営業部長を務める50代の男性を紹介。「営業で大切なのは気合と根性」をモットーとする彼は、部下に営業件数を毎日報告させ、少ないと「気合が足らん」と激高するそう。しかも、自身の若い頃の成功体験を何度も話し、残業を暗に強要し、定時に退社した社員がいると翌日デスクを廊下に出すという暴君ぶりを発揮していました。

 

片田さんは、そうやって気合と根性を強調する理由として、「目の前の現実から目をそむけたいからだろう」と指摘します。

「根性論を持ち込む上司は『みんながやる気を出せば、すべてがうまくいく』と考えがちだが、こうした思考回路の根底にはしばしば『~だったらいいのに』という願望と現実を混同する傾向が潜んでいる。『すべてがうまくいけばいいのに』という願望と『すべてがうまくいく』という現実を混同するわけで、これを精神医学では『幻想的願望充足』と呼ぶ」

この幻想的願望充足は子どもに認められることが多く、成長するにつれて次第に影を潜めるのだとか。にもかかわらず、大人になっても幻想的願望充足を引きずっているのは、「目の前の現実を受け入れられず、直視したくないため、つまり現実否認の傾向が強いためと考えられる」と片田さんは分析しています。