「そうとも言い切れないんです。お金の面だけで法人化している人ばかりではないのも事実としてあります。
というのも、大企業と取引しようと思うと、株式会社や一般社団法人など法人格がないと取引できない、一個人では難しいという場合があるんです。そうなると、取引のために法人化せざるを得ず、売り上げがそこまで上がっていなくても、法人化している人も少なからずいます」(合田さん)
なるほど。たしかに、個人よりも法人の方が断然、信用度は高まります。自分が取引しようとしている業界や企業によるということですね。
個人として徐々に活動を広げて、いずれ個人事業主になって、扶養から外れる。そうすれば、前回の記事にもあったように、ライフワークとして60代以降も、自分の手と足で稼げる道筋ができそうです。
配偶者が年上の人は要チェック! 年金と健康保険の落とし穴とは
なんとなく明るい将来を思い描けるようになったのですが……。
年金と健康保険問題、思わぬ落とし穴が!?
「もし結婚されていて、配偶者がご自身より年上の場合、60歳で配偶者が定年した後は、今まで扶養に入っていた方は、ご自身で国民年金と国民健康保険に加入することになります(配偶者が任意継続しない場合)。
つまり、労使折半ではない、年金と健康保険料を全額自己負担で支払い、さらにお子さんがいる場合はプラスしてかかってくるんです」(合田さん)
老後に向けて…という時期に、いきなり健康保険に大きなお金を納めるのはちょっと想定外で泣きそうです。
「そうなると巡り巡って、やっぱり雇用される働き方も悪くないんです。
扶養内で働く時に『◎◎万円の壁』で抑えるように調整するのと逆の発想で考えると、月20時間以上、もしくは月8万8000円以上、どこかに雇用される形で働けば社会保険に加入できます。
しかも、配偶者や子どもを自分の扶養に入れることができるんです」(合田さん)
今まで考えたことのない目からウロコのこの発想! 配偶者の定年退職が見えてきた世代にとって、かなり重要かつ必要な視点ではないですか! しかも、この人手不足のご時世だからこそ実現できる選択肢ともいえます。
関連記事
扶養内か否か? 令和のミドル世代に必要な視点はコレ!【FP&キャリコンが解説】>>
自分らしく働くために個人事業主やフリーランスとしての活動を広げ、将来的な安定のために雇用を維持する働き方も合わせて検討する。
自分らしさとお金だけではなく、安心も手に入れるーー。
これからの働き方を考える時、社会保険というフィルターを通してみた場合の、ミドル世代らしい働き方の1つの形が見えてきます。
構成/佐野倫子
イラスト/Semo
前回記事「【フリーランスvs雇用】それぞれ向く人とは?ミドル世代の「お金」と「やりがい」折り合いの付け方をプロが伝授!」はこちら>>
Comment