覚悟があるから、友だちはいりません
友人は多ければ多いほどいい——昔から、そんな意識が根付いていると思います。しかし私が思うのは、極端な話「友だちはいらない」ということ。そんなことを言ったら、冷たい人間だと思われるでしょうか。でも、自分が何か変わろうとしているとき、昔なじみの友人に相談をしたら、どんな答えが返ってくるか想像してみてほしいのです。
ずっと専業主婦だった私が急に「起業したい」と言ったら。語学力ゼロ、人脈ゼロの私が「モナコに住みたい」と言ったら。目の前にいる友人はきっと、「あなたにはできっこない」「危ない橋を渡るのはやめておきなさい」と返してくるでしょう。そして、「誤解しないで。あなたのためを思って言っているのよ」と付け加えるかもしれません。
私が伝えたいのは、人生に変化を起こしたい人にとって、昔からの友人のアドバイスは役に立たない、ということです。特に、広大な未来へ挑戦しようとする人間に対して、過去からの延長線上にある関係性に、未来への背中を押す答えはありません。
選択しなかったことを、誰かのせいにしたくない
それどころか、相談すればするほど、気心が知れた友人の言葉に、ずるずると心が引っ張られるかもしれない。気心が知れている、ということは諸刃の剣なのです。
私は、友人のことをとても尊敬しています。だからこそ、人生を左右する大切なことを相談することは一切ありません。一度きりの人生の分岐点において、「選択しなかったこと」を後悔することになっても、友人のせいにはしたくないからです。
私の人生の決断に対して、友人が「NO」を突きつけてきたら、「私は私の道を行くね。あなたもどうか元気で」と、別れを告げる覚悟があります。もちろん、本当に友人と決別することになれば、落ち込むでしょうし、後悔だってするかもしれない。
でも、人生の決定権はほかの誰でもない、私自身が握っているのです。そう覚悟してさえいれば、友だちが一人もいなくたって怖いことなんかありません。
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