メイクとおしゃれで、人間関係もオン/オフ


爪先も、たまに真っ赤なネイルを塗っている人も見かけますが、日本のように凝ったネイルアートを楽しむ人はほとんど見かけません。ちなみに、ネイルアートの技術に関しては、日本のネイリストさんが世界一だと私は思っています。

そんなふうに、24時間きれいでいようとは考えず、オンのときだけ華やかさを楽しむ女性が多いので、日常生活はとても気楽です。私自身は昼間でも少々おしゃれをして出かけますが、メイクは必要最低限のことをパパッと済ませ、あとはさっとサングラスをかけて完成です。

メイクやネイルをするのが楽しい、自分のためにやっているという人は、もちろんそのままでいいと思います。そうではなく、「周りからどう見られるか」の義務感に駆られて常に完璧なメイクをしているのなら、少しだけ彼女たちの真似をしてみるといいかもしれません。

自分にとって大切な人の前でだけ、とっておきの自分を見せればいいのであり、全ての人の前で華やかであり続ける必要はないのですから。そう考えると、モナコの女性たちが教えてくれるのは、メイクそのものではなく、人間関係のオン/オフの切り替え方なのかもしれません。

 


「若さが正義」ではないモナコで思うこと

メイクのオン/オフで人間関係をスイッチ。モナコの富豪が教えてくれた「ご機嫌な私」を育む秘訣_img0

女性の「若さ」がもてはやされるのは、なぜなのでしょうか? 肌のハリ、ツヤ、フレッシュさ……そうした若さゆえの美しさや魅力は、当然ながらあります。ですが、それらはしばしば「失われていくもの」として表現され、年齢を重ねることで「市場価値が落ちた」かのような評価を周囲から“勝手に”くだされることもあります。

「若見え」「マイナス10歳肌」といった言葉に惹かれる女性は少なくありませんが、これは「若さ」が絶対的な正義として定着しているがゆえのもの。年齢を重ねるのと比例するように、失われていく見た目の「若さ」を取り戻すために腐心し、一喜一憂する女性たち。「若く見えますね」と言われて喜ぶのも、「若さこそ正義」と思い込ませてきた、社会に問題があると感じます。