こんにちは、エディターの昼田です。

「捨てたくても捨てられない本」の手放し方。大事なページを写真に収めるのも無駄!?【エディター昼田祥子】_img0
Tシャツ/ユニクロ デニム/レッドカード

友人と話していてよく話題にのぼるのが「本の手放し方」です。今、私の手元にある本は30冊程度ですが、その昔は、ものすご〜く持っていました。服と一緒ですね(笑)。

自分が手がけた雑誌は取っておきたいからそれだけでも結構な量。仕事の資料用の本、私の人生に多大な影響をもたらした本はやっぱりそばに置いておきたいじゃないですか。気がついたら寝室一面、本がパンパンに並んでいました。

手放すきっかけになったのは「引越し」でしたね。荷造りしてみるとわかるんですが、本ってけっこう重いんですよ。段ボールに詰めて運ぶだけでも、ものすごく疲れるんです。しかも引越し先で荷解きするとき、本って一番最後になりがち。とうとう段ボールに入ったまま一度も読まず……。これって持ってる意味ある?!

2020年山形への移住、2023年東京に戻ったとき。2回の引越しと、定期的な見直しでがっつり捨てました。本棚もね!
 

 


本を捨てたいけど捨てられない。
そんなときに私が自分自身に問いかけたのがこちら。

本は手放してもまた手に入るのに
「なぜ、その本を所有しておきたいの?
なぜ手元になければいけないの?」


服はまったく同じものを見つけるのが難しいですが、多くの本はふたたび手に入れることができます(定価より高くなっていることもあるかもしれませんが)。図書館で読むこともできますよね。なのにわざわざ手元においておきたい理由はなんでしょう。そこを掘れば手放せない思考を突き止めることができます。

「捨てたくても捨てられない本」の手放し方。大事なページを写真に収めるのも無駄!?【エディター昼田祥子】_img1
懐かしい〜。昔持っていた本たち。


例えば

①自分の実績がわかる本

編集者ならではだと思いますが、私が手がけた雑誌たち。はっきり言って過去の栄光ですよ。でもやっぱり頑張った証だもの、とっておきたいです。いいページができたと誇りに思っている雑誌もありました。手元にないと、何かが失われそうな気がする。でもね、実際のところは捨てたところで、経験もスキルも何一つ奪われるものはないんですよね。いつか誰かに見せびらかす機会があるわけでもなし、結局のところ、「私ってこんなにできるんです。すごいでしょ」という自己顕示欲や、頑張った過去を大事にしたい、過去の私に浸っていたかったのだと思います。


②思い出の本

その昔に読んで感銘を受けた本、勇気や元気をもらっていた本、心に残る文章がある本。いっぱいありましたね。一気に手放せなかったのでちょっとずつでしたが手放してみると、意外となくても大丈夫なんだと気付かされます。ないと不安と思っていたけれど、その全てが“今の自分”を作ってくれています。
 

「捨てたくても捨てられない本」の手放し方。大事なページを写真に収めるのも無駄!?【エディター昼田祥子】_img2
 

③覚えておきたい情報がある本

料理はしないのに、私は料理本がとても好きなんです。いつか作ってみたい! レシピは覚えられないからと思うと、本棚にどんどん溜まっていきます。いつかと言いながら、結局作っていない笑。いつか着ようと思っているわりに結局着ない服と同じですね。
そのほかにも、すべてをインプットしたくなるほどに重要なことが書かれている本も、結局のところ人が記憶に残しておけるのは一握りの情報だなと思います。試しに重要なページだけを写真に収めてみましたが、見返すことはほぼありません……いまだに(笑)。つまりこれも無駄かしら!?


最後に、何があっても捨てないと決めていた本があります。それはエルメスの顧客に配られる非売品の本です。再び手に入れようと思うと高い! なんで持っているのか? 一流のクリエイターたちによる美しいページ。編集者としては、こんな本を作れたら最高ですよ。だけど好きな割には滅多に読まないんですよね(笑)。だとしたら私が手元に置いておく必要があるのだろうか。みんなで読んでもいいんじゃない? 

「捨てたくても捨てられない本」の手放し方。大事なページを写真に収めるのも無駄!?【エディター昼田祥子】_img3
 

ということで今は近くのライブラリーに寄贈し、みなさんに読んでもらうようにしました。手元になくても存在してくれていれば十分。
独り占めしないで、みんなで共有する。

そんなふうに“所有”の概念が変わったら、世界が変わりそうな気がしています。
 

「捨てたくても捨てられない本」の手放し方。大事なページを写真に収めるのも無駄!?【エディター昼田祥子】_img4
 

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『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』

著・昼田祥子
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クローゼットに収納術はいりません。
「クローゼット=本当の自分」にできれば、勝手に整うものだから。
ただ、自分の心地よさに従うこと。
本来の自分を生きるという覚悟を決めること。
捨てられずに人生を詰まらせているものに向き合い、手放していけたとき、人生はすごい速さで自分でも思いがけない方向に進んでいきます。
1000枚の服を溜め込んだファッション雑誌編集者の人生を変えた「服捨て」体験と、誰でもできるその方法を伝えます。 


着用・文/昼田祥子
構成/出原杏子
 
 
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