浮気を許し続けた女の悲劇
先輩たちの会話内容は、由紀子さんの夫が飲み会や何かのイベントのたびに違う女の子を持ち帰る、さらに真剣交際を匂わせるものだからトラブルになりがち、そもそも恋人が何人もいる……というものだったそう。
由紀子さんは気が遠くなるような気持ちで、じっとその話を聞いていたと言います。
「信じたくありませんでしたが、夫と一緒にいるうちそれが本当だとわかりました。彼の家に行くと、私と色や長さの違う髪の毛が落ちていることがしょっちゅう見つかるんです。もちろん問い詰めたこともありましたが、『二次会でみんなでうちで飲んでただけだよ』と平然と答えます。
出張と言っていたのにバッグに水着が入っていたり、私には使わないのになぜか避妊具を持ち歩いていたり……小さな嘘や違和感が、そこら中に転がっているような感じです」
髪の毛や避妊具の時点で、それはある意味決定的な証拠。問い詰めるというより修羅場、別れ話になることはなかったのが気になりますが、どうだったのでしょうか?
「そこが私のダメなところなんですが……、夫は私に責められても始終ヘラヘラしているんです。『そんなの気にしたって意味ないよ、嫉妬するゆきちゃんも可愛いけど』みたいな。避妊具についても『昔持ってたのがそのままになってるだけ』とか。
明らかに嘘と疑う状況でも、『怒った顔もかわいいよ』なんてよしよしされたりすると、わざわざ険悪にならなくてもいいか……なんて流されてばかりで。そう、私も悪いんです」
由紀子さんいわく、当時は浮気性の彼を容認するような形で交際を続けていたと言います。そしてそれが、確実に不幸の始まりだったと。
「そんな状態だったので、私は彼にとって都合の良い女以外の何者でもありません。浮気こそ認めませんでしたが、『ゆきちゃんが1番好き』『やっぱりゆきちゃん以上の子はいない』なんて、明らかに2番目3番目がいるだろうセリフをよく言うんです。
その度に気持ちがささくれるものの、『仕事が落ち着いたら結婚しよう』という言葉に期待もしてしまい……結局6年も待たされる羽目になりました」
ちなみにこの間、由紀子さんは小さな規模だと言いますが、夫は会社を売却し、まとまった資産を得たそう。
そして彼の女遊びはさらに派手に、酷くなってしまうのです。
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