ロッコ「ファッションでいうとフランス人に理解されないのが、今日はパンクファッションで明日はロリータ、次はカジュアルみたいな、そういうのは理解されないんです。それは自分のスタイルがない。パンクファッションだったら政治的に何か思いがあってそのファッションで表現しているものだから、どうして波があるの? ってなりますよね」
昼田「なるほどね。している格好で何か言われたことはあります?」
ロッコ「フランスに行った当初は、日焼け防止ファッションをしてたんですよ。ヨーロッパは日照時間が短く、夏の間にしっかり日光を浴びてビタミンをとるという考えがあるので、なんでわざわざいろいろ隠してるの? なんで日光を楽しまないの? って(笑)。」
昼田「それでいうと、”とっておきのものを普段使いにする”という言葉も、とても納得しました」
ロッコ「食器とか高級なものは、子供が小さいからという理由で引っ込めてたものがけっこうあったんですけど、使ってこそですよね。洋服もそうですよね?」
昼田「いや〜、わかる。私なんて高い靴が汚れるのがイヤで履けなかった(笑)。一度も履いていない靴がたくさんありましたよ。なんのために買ったんだ?みたいなね」
昼田「ロッコさんは浪費家だったと、本に書いてありましたね」
ロッコ「それはもう自分でも認める浪費家でしたね。お金がないのに買ってしまう(笑)。昔はマルタン・マルジェラとかが好きで、当時はアート作品みたいな感覚で集めていたんですよ」
昼田「そのコレクションは今もあるんですか?」
ロッコ「いや、今はもうさすがに手放したものが結構あって。そういうマニアみたいな方がたくさんいらっしゃるので、良いご縁があってお譲りしました」
昼田「マルジェラにハマっていた気持ち、分かります。昔はファッションにも雑誌にも勢いがあって、とにかくたくさん買っていた記憶があります。浪費家だった自分を今はどう捉えています?」
ロッコ「それこそ浪費は投資だったなと思います。高級なものやいろんなブランドのものを触ることで得られたものもありますから、最終的には無駄じゃなかった、すべては経験だったなと思います」
昼田「私もだいぶ浪費しています(笑)。だから最近、20才くらいの若い子に無駄なモノを買わないようにしたい、モノを減らしたいという相談をされると、いやいや無理してやめなくてもいいよ、買ってもいいのに、と思ってしまうんですよ」
インスタ出身のロッコさんが次にやりたいこと
ロッコ「今やりたいこととかやりたいことたくさんあるんですけど、本は続けていきたいなというのありますし、元々インスタ出身なのに最近は全然更新していないので(笑)、ちょっと変えていきたいなと思っています。
昼田「どう変えていくんです?」
ロッコ「もうフランスでやめたことじゃないんですよね。これからどうやって自分の暮らしや生き方を作っていくか、というのをシェアしていきたいなと思います。ちょうど年末に引っ越しのタイミングなんですが、キッチンカウンターもついておらず、自分たちで作っていくのが楽しみですね」
昼田「それこそ新しい本のテーマになりそうですよね!」
ロッコ「それから今、着物を広げる活動をしているんです。元々、母が着物の着付けを教えていたんですが2年前に母が亡くなり、持っていた着物を全部引き取ったんです。今住んでいるリヨンは”絹の街”でもあるので、着物をツールにして活動していきたいなと。日本とかフランスとか国が関係ない感じの動画を作ってみたいですし、海外にいる日本人の方に自分のアイデンティティを大切にするためにも着物に興味を持ってもらえたらいいなと思います」
昼田「ロッコさんも日常で着るんですか?」
ロッコ「クリスマスは確実に着物って決めてます。海外の既製品は足の長さが違うんじゃないですか。どんなに自分用にお直ししても、もうその位置じゃないです(笑)。だから着物がいいですよ。海外で着物を着ていると対応が全然違うんですよ。違う経験ができて楽しいですよ。だから着物を大切なミーティングときに着る服、着られる服にしてほしいなと思っています」
ロッコさんのこれからの展開が楽しみ! ぜひ新刊もチェックしてみてくださいね。
<新刊紹介>
『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』
著・昼田祥子
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クローゼットに収納術はいりません。
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着用・文/昼田祥子
構成/出原杏子
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