ファンの声は恥ずかしいけど嬉しい
ー俳優を続けられるモチベーションはどんなところにありますか。
大倉:そうですよね。ネガティブなことばっかり言ってますからね(笑)。でも『アンナチュラル』や『MIU404』もそうですし、他の作品もそうですけど、長い時間経った後でも、あの作品見ましたよ、すごく良かったですって言ってもらえることがあって、それは本当にありがたいし嬉しいなと最近思います。ちょっと恥ずかしい部分もあるんですけどね。昔の自分のことを言われても、本当に大丈夫だった? みたいな気持ちもありますけど、でもありがたいなって。そして、最近もありましたけど、自分の息子ぐらいの年齢の子から「大倉さんが出ている映画を観てすごいファンになりました」って街中で話しかけられたことがあったんですよ。時代を経ても、そうやって若い人に見てもらえるって本当に嬉しいことだと思います。
ーーそういうところにやりがいを感じられているんですね。
大倉:ってことにしておきましょう!
芝居がよくできたと思うことは今でもない
ーー「やればやるほど、自分ができないことを実感させられる職業」(ORICON NEWS 25年出演し続ける男・大倉孝二、“バイプレイヤー”の苦悩語るも「主役願望ない」)、「何も取り柄がない」(東京カレンダー 「僕、何も取り柄がないんです」と語る大倉孝二が、役者を続けるワケとは?)ともおっしゃっていましたが、はたから見たら、名バイプレーヤーの仲間入りをされていて、『ラストマイル』に大倉さんが出演すると発表されたときはXなどでも大きな反響がありましたが、自分に実力や人気があるな、とは思わないものですか。
大倉:ふっ(笑)。ないですそんなの(笑)。人気者じゃないですから。自分が人気があるとか、名バイプレーヤーとか、何にもそんなこと思ってないですね。地味に生きてますよ。それにやっぱり難しいです、芝居っていうのは。よくできたなんて思うことはまずないです。
カーテンコールが苦手?
ーーカーテンコールが嫌いという噂をお聞きしたんですけど、本当なんでしょうか?
大倉:そうですね。嫌いって言ったら怒られますけど、なければいいなとは思っています。
ーー(笑)。素の状態で出るのが嫌という感じですか?
大倉:映画の舞台挨拶も苦手です。何かを演じるのが仕事だと思ってるので、こんなただのおっさん見てもしょうがないだろってどっかで思っちゃう。カーテンコールって急に素になるじゃないですか。演じて出りゃいいとか言う人もいるけど、「どうやって?」って思っちゃう。恥ずかしすぎて、「顔が険しい」って怒られたりしたこともあります。今はそういうことはないけど、ただニコニコはしてないですよね。ただ真顔でありがとうございましたっていう気持ちを表しています。
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