服がその役割を果たしたら、捨てても良い。服に役割を与えるのは持ち主


でも、以前は昼田さんは、服の声をいちいち聞いていられないほど、大量に所有していたそうです。

「以前の私は自分のことをわかってなくて、服も大量に持っていました。ウォークインクローゼットだけでなく、隣の洋室にもラックをいっぱい置いて衣装部屋みたいにしていたんです。それを思い切って捨てることで、自分の中で何が大事なのか優先順位が見えてはっきりしていきました」

昼田祥子さん、服を溜め込みがちな私に「服捨てのコツ」を教えてください!【辛酸なめ子】_img0
 

1000着近くも捨てられて、お仕事柄結構良いブランドが多そうなので、安いマンション代くらいの服を処分されたのでは、と拝察します。私の場合、ちょっと良いブランドだとなかなか手放す勇気が出ませんが、何を目安に捨てれば良いのでしょう。

 

「服がその役割を果たしたときですね。買って満足したのなら、買って終わりで良いんです。服に役割を与えるのは持ち主です。結婚式に着ていくために買ったのなら、それで役割を果たしたことになります。なんとなく持ってる服は、なんとなく役割を与えたんで、なんとなくいるんです」

そう言われると私の服は「なんとなく」で買ったものが多いです。アパレルショップの店員さんも買わせるのが上手くて「ちょっとしたときに良いですよ」とか適当なそれらしい売り文句を言ってきて、乗せられることもよくあります。また、落ち込んでいるとき、ちょっと体調が悪いとき、元気になりたくて服を買うことも。

昼田祥子さん、服を溜め込みがちな私に「服捨てのコツ」を教えてください!【辛酸なめ子】_img1
 

エネルギーを発散したいから買う、高揚感を得たいから買う、でも良いと思います。私も、そういうのもあっていいんだな、って思うようになった。捨ててもすっきり、買ってもすっきりします。呼吸と同じ、吐いても吸っても良いんです。循環できればクローゼットも健康的に保てます。悪いものを溜め込んで出せないから苦しいのと一緒です。捨てることで、新しいものも入ってきます

ミニマリストになりすぎると、ものをあまり買わなくなりますが、そうなると世の中の流行や移り変わりから外れて、ストイック感が漂って逆に近寄りがたい雰囲気になりそうです。「買うって大事なこと」と昼田さんはおっしゃいます。お仕事柄、最新のアイテムも取り入れることも習慣になっているのでしょう。不要な服を整理した後に、本当に欲しいと思った上質な服を買っていくことで、自分も世の中に合わせてアップデートできます。