1000着→20着の「服捨て」で人生好転の昼田祥子さんに聞く「家を片付けると痩せる」理由【辛酸なめ子】_img0
 

1000着の服を約20着まで減らした服捨てをきっかけに、人生が良い方向に展開していったエディターの昼田祥子さん。前回は、手放すことの重要性についての興味深いお話でしたが、今回も引き続き服捨てや、買い物の極意を伺います。


前回記事
昼田祥子さん、服を溜め込みがちな私に「服捨てのコツ」を教えてください!【辛酸なめ子】>>
 

 


人間としての尊厳を取り戻すためにも、服捨てやもの捨てに着手したい


私の部屋は、服だけでなく書類や雑誌、本、お土産などあらゆるものがたまっているのですが、いざ捨てるとなると腰が重いです。昼田さんはそんな私の気持ちを見透かされているかのような一言を放ちました。

「本当に捨てたいですか? 実は、なめ子さんは捨てなくても良い人なんじゃないかと思っています」

それはどういう意味なのでしょう……。

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昼田祥子さん
ファッションエディター/出版社勤務を経て、フリーランスへ。2016年に大規模なクローゼットの片付けに着手し、1000枚近くあった洋服がわずか20枚に。洋服好きだからこそ捨てられない葛藤を経験し、「おしゃれとは自分が心地よくあること」と気づく。「ウェルビーイングな生き方」を目指し、瞑想インストラクターとしても活動中。2020年山形へ移住し、2023年春から東京へ拠点を移す。初の著書『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』が大好評。stand.fm「服を捨てて、人生を動かす」もスタート。
Instagram:@hiru.1010


自分のやりたいことが見えている人、自分のことが棚卸しできている人、優先順位が見えている人は、やらなくて良いと思っています。ものを捨てると、自分の中で何が大事なのかはっきりしていきます。大事なことを見極められていない人は服を捨てた方が良いと思いますが……」と、昼田さん。

そう思っていただけるのは光栄ですが、雑然とした空間にいると集中力が削がれて、自己肯定感も低くなってしまいます。優先順位という話だと、社会における自分の順位が下がっていくような感覚です。最近、富裕層のホムパに招かれたのですが、自分の居住空間とつい比べてしまい、今までがんばってきた人生は何だったのかという思いに駆られました。人間としての尊厳を取り戻すためにも、服捨てやもの捨てに着手したい所存です。
 

高級ブランドは1枚の服に関わっている人が多い。そのぶん愛されている


負のエネルギーをまとっているものは捨てた方が良い、とのことですが、具体的に伺ってみました。数年前に買った何度アイロンをかけてもシワが消えないセレクトショップのワンピースがあるのですが……

「自分にとって使いにくい服は手放した方が良いですね」と、昼田さんはおっしゃいます。 仕立てがしっかりしている服なら良い状態をキープしそうです。

「基準として、メイドインジャパンは長持ちします。安く作られている服は縫製の縫い目が粗いんです。一回着ただけでほつれていったり……。メイドインジャパンは縫製が丁寧なことが多く、手間がかかっているので型くずれもしにくいです」

以前通販で買った激安の服は、夕方には型くずれしていました。丁寧に作られている服は、良い気が宿っていそうです。

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「高級ブランドは1枚の服に関わっている人が多い。そのぶん愛されている服なんです。みんなに手に取ってもらいたくて、高いエネルギーを振りまいている感じがします」

昼田さんがおっしゃる通り、銀座などハイブランドショップが並んでいるあたりを歩くと背筋が伸びて、邪気も祓われる気がします。

「今はたまにしか買いませんが、昔は見に行ったり買ったりしていました。アッパーで違う自分をインストールするために」

さすがファッションエディターです。私はハイブランドはバッグやお財布などは買っても服はまだ買う勇気がありません。またハイブランドとは逆に、大量生産のお店は「お店にあるときが一番素敵」ということもあるそうです。自分の軸がしっかりしていれば、安い服も素敵に着こなせるのでしょう。アウトレットモールの服は、個性があってもエネルギーが少ないと感じられるとか。

「服ってエネルギーなんです」という言葉に共感しました。

 
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