こんにちは、編集・川端です。
短い滞在だった京都ですが、伏見稲荷神社でご祈祷をしてきました。ミモレのますますの発展と読者の皆さまのご健勝を祈ってもらいましたよ。

日本人は同じカタチのものを重ねるのが好きですね。ということで、今日ご紹介するのは、松田青子(まつだあおこ)さんの『スタッキング可能』です。
どんな小説かと説明しにくいですが、川上未映子さんの『乳と卵』で初めて読んだ時の衝撃と似た(正直わけわかんないけど)天才キターーー!!という感動があります。
似たようなもの、似たような意識が重なっている状況をスタッキングできる家具とOLを重ねて皮肉った表題作の「スタッキング可能」のほか、「ウォータープルーフ嘘ばっかり!」「もうすぐ結婚する女」などの短編が収録されているのですが、とくに、2番目の「ウォータープルーフ嘘ばっかり!」は最高でした。
“自宅ネイル派”という言葉に食ってかかってる場面があるのです。
「それ、サロンに行くお金がないんじゃないですか。だいたい派ってなんですか。いつ誰と派閥を組んだんですかあなたは。」
いったい誰に向かって、なぜ憤慨しているのかさえよくわからないのですが……(笑)なんかよく言ってくれた!という清々しさがあるんです。
リズム感がよくて、言葉遊びを交えながらたたみかけるような一人語りなど、落語を見ているよう。多少意味不明なところがあっても、なんだか面白いからいいか!という気持ちにさせてくれます。最終章「ウォータープルーフ嘘ばっかりじゃない!」まで是非たっぷりと楽しんでください。

大注目の松田青子さんの新刊『ロマンティックあげない』がまたちょっとスパイシーで魅力的なエッセイ集なので、そちらのご紹介を次回に。
ではではまた〜!
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