一方的に叱ってくる上司に対し、謙遜さんがするべきことは?

日本人の4人にひとりはいる「謙遜さん」。何でも自分のせいにしてしまう40代女性が、謙遜さんの苦しみから抜け出した方法とは?_img0
 

ここで登場していただくのは、コンサルタントとして働く40 代女性Aさんです。謙遜さんは、つい「私が悪い」「自分のせい」と考えがち。なので、人とあつれきが起きたとき、状況はどうあれ、自分を責めてしまいます。

Aさんもそういった思考パターンのもち主でした。

営業職から転職して1年目のAさんは、未経験でのチャレンジだったこともあり、上司から叱責される日々が続き、業務に自信がもてず強いストレスを感じていました。

しかし話を聞くと、外国語が堪能で仕事のスキルも高く、話しぶりも理路整然としています。異業種に転職できたのも納得できる有能さがうかがえました。

ところが、ご本人は「上司に叱られるのは、すべて自分の能力不足であり、努力不足のせい」と自分を責めていらっしゃいます。たしかに、慣れない仕事で戸惑う部分は大きかったでしょう。思うように成果が出せなかったのは事実かもしれません。
 

 


とはいえ、そんなAさんを一方的に叱る上司も問題です。

そこでAさんには、まず上司からの批判や叱責は、いったん脇に置き、業務上の連絡や相談を淡々と進めることをお話ししました。

といっても、面と向かって叱られるのですから、すぐにできるはずもありません。ご本人も、「頭ではわかっていても、実際の行動はむずかしい」とのこと。そんなAさんにお伝えしたのが、「相手の課題と自分の課題を分ける」という考え方です。

これは、ベストセラー『嫌われる勇気』で有名なドイツの精神科医・心理学者のアルフレッド・アドラーが提唱したものです。