服を着たときに肌が発する「ザラザラする」「冷えるな」等の違和感を確認して


ところで昼田さんは素材は重視されているのでしょうか。今日お召しのトップスも素材にこだわりが感じられます。

「素材は気にしてますね。肌との相性だと思うので、シルクが一概にいいとは言えないです。着てみて、肌がなんて言ってるか確認してもらいたいです。ザラザラする、とか冷えるな、とか違和感を大事にしてください。私はコットンやウールや麻が好きですね。ウールは調湿・調温機能があって『天然のエアコン』と呼ばれるほど高機能な素材です。私は夏でもウールのパンツをはきます」

昼田さんは服捨てを通して感覚がさらに鋭くなって、服の声だけでなく肌の声もキャッチできるようになったようです。この話を聞いてから意識してみると、猛暑日に通気性の悪いポリエステルのワンピースを着たら、「苦しいよ〜」と肌が言っている気がしました。そのまま着て出かけたらあまりにも暑くて、肌の警告をちゃんと聞いておけば良かったと思いました。体に良い服は肌が教えてくれます。

1000着→20着の「服捨て」で人生好転の昼田祥子さんに聞く「家を片付けると痩せる」理由【辛酸なめ子】_img0
イラスト/辛酸なめ子

健康面といえば、こんな気になるお話も。

「溜め込む性格だと、連動して溜め込む体になってしまいます。家を片付けると痩せる、というのは私の周りはみんな言いますね。あと、クローゼットが詰まってる方って、体に不調が出ている方が多い印象です。膝が痛いとか首が回らないとか。もしかしたらクローゼットだけでなく、荷物も多くて体に負担がかかっているのかもしれませんが……。体はクローゼットとつながっているし、人生ともつながっているんです」

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長年、背中や首、肩が岩のように固いのは、部屋やクローゼットが片付いていないせいかもしれないと思えてきました。一刻も早く断捨離しなければと思います。
 

 


片付ける前と後で、陰キャが陽キャになるくらいの変化が


昼田さんも片付ける前と後では、体調だけでなく性格も大きく変わったそうです。

「以前の写真を見ると、ハワイとかに遊びに行ってるのに、すごく暗い顔してるんですよ。バカンスも楽しめないという、鬱々とした日々を過ごしていました。笑顔も少なくて……。そういう意味では別人になりました。こうやって人としゃべることも苦手だったんです」

今話していてポジティブな印象しかありませんが、なんと、陰キャが陽キャになるくらいの変化があったとは。昼田さんは服を捨てることで自分の心と向き合い、だんだん俯瞰して見られるようになって、瞑想インストラクターという新たな境地が開けたそうです。

「これまでは服が鎧のようでしたが、やっとあるべき自分の姿に戻って来られました。仕事柄おしゃれな人と思われたいというこだわりも捨てて、身軽になれたんです。自分に正直に生きられるようになりました」

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自分にとって必要のないものやエネルギーを手放して身軽になった時に出るのが、真の抜け感なのかもしれません。
 
次回は、捨て方などを伺いつつ、実際にさまざまなものを整理したレポートです。
 

(なめ子さん渾身の断捨離レポ、10月6日配信予定です!)
 

辛酸なめ子、アラフィフの壁を乗り越えるとは?
「アラフィフの壁」を無理なく、軽やかに越え続ける漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが、自らのアンテナに引っかかった事象を紐解く連載です。「服、アクセサリー、食器、バッグ、本、雑誌などあらゆるものを溜め込みがちで、生命エネルギーが奪われている気がする」というなめ子さん。そんな長年の悩みを解消すべく、連載「断捨離で見えた私と服の新しい関係」でもおなじみのエディター昼田祥子さんに服捨ての極意を学びます。

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前回記事
昼田祥子さん、服を溜め込みがちな私に「服捨てのコツ」を教えてください!【辛酸なめ子】>>

撮影/大坪尚人(講談社写真映像部)
構成/露木桃子
 
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