「くそー!」と思いながら過ごした一人旅
——『ポンコツ一家2年目』の中では、一人旅に行かれたことも書かれていますね。
にしおか:はい、小っちゃい家出ですね(笑)。長野の諏訪湖に行ってきました。一旦、家族のことを全部忘れてと思って行ったんですが、やっぱり完全に忘れるというのは難しかったです。息抜きしては、家族間のゴタゴタを思い出し、「くそー!」となりながらの一泊二日でした。それでも気分転換はできました。しょっちゅう旅行に行って息抜きしたいところですが、そんなお金も貯金もないので、現実には難しいですね。
——にしおかさんは、普段の気晴らしとか、疲れたときの解消法ってありますか?
にしおか:マニアックな趣味ですが、野菜やフルーツを彫ったりして、お花や龍を作ったりするベジタブルカービングを時々やります。これをしている時間は無心になります。他には都内のお洒落なカフェのテラス席に座ってコーヒーを飲みます。なんだかイケている女性な気がしてきます(笑)。でも夜、息抜きしたいとき、お店は閉まっているし逃げ場がないんですよねえ。
父と母は夜に夫婦喧嘩することが多いんです。仲裁しても無駄だということは嫌というほど経験済みです。とにかく自室でイヤホンをして、焚き火や雨等のヒーリング系音楽を聴きながら、そのまま寝られたら寝ちゃいます。歌詞がある音楽を聴くと“歌詞に疲れちゃう”ので。もっといい方法ないですかねえ(笑)。
「父にブチ切れた日」で一線を越えた理由
——夫婦喧嘩というと、今回は“お父さまがお母さまに傷の残らない暴力を振るったこと”も書かれています。どんな心境でこの言葉を添えたのでしょうか。
私の一線が切れた。
「てめえええ! 何しやがる! クソがああ! 警察呼ぶぞ!」
ハッとした顔でジジイが振り返り、サッと手を引っ込める。
——『ポンコツ一家2年目』より
にしおか:現在、家族は生きていますし、尊厳もあるし、個人情報をどこまで出すかのさじ加減はいつも迷います。家族が生きにくくなるのは嫌です。世に出すと決めても、それが正しいのかどうかもわかりません。ただ一個一個よく考え、後悔のないようにと思って書いています。
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