高齢に向かうダウン症の姉をどう見守るか
——お母さまはまだ、身の回りのことをこなしていらっしゃいますもんね……。
にしおか:はい。まだ出来ることがたくさんあります。難しくなってきたことのみ、何となくフォローします。時々、先々のことを考えるとお先真っ暗な気がして。まだ起きてもいないことに疲れるなんてバカバカしいし考えないようにしてはいますが、勝手に頭が想像してしまうこともあります。
母と姉は「家で看取る」がいいんだろうな。でも利用できる福祉サービスを出来る限り使ったとしても、「看取る」って、きっと私が想像する以上に、遥かに大変なことなんだろうな。もし私がしんどくて、どうにも病んでしまうなら、その時は私がどこかに引っ越して、そこから通いで見守るかなあ。それすら甘いのかなあと思ったりです。
——認知症の家族を介護する方たちのコミュニティに参加されたりはしますか。
にしおか:交流会に参加したことはないです。ただ本や連載で発信したことで、福祉に携わる専門家の方々とお仕事をご一緒させていただくことがあります。その時にプロのご意見やアドバイスを直接イベント等で伺えるのはとても恵まれたことだなあと思います。
これも例えばですが、母が先に逝ったとして、私と姉が残ります。私は自分ファーストですから自分の幸せを第一に考えます。でも姉の幸せも考えます。現在、姉は51歳です。元気で長生きして欲しいです。どうしたら私も姉も幸せだろう? どこでどういう折り合いをつけたらいいんだろう。日々、模索中です。
そんな中、お仕事で高齢に向かっているダウン症の方やそのごきょうだいの方と会う機会をいただけました。おふたりとも優しさに溢れ生き生きと過ごされていて、そんな様子に一瞬でも触れさせていただくと、私の気持ちもほぐれます。力強さも感じます。繋がれたことがとても嬉しいです。おふたりが発信してくださることで、私は元気をたくさんいただいてます。
家族3人認知症? ってあるのかなあ?
——高齢に向かうダウン症の方とそのご家族の情報は、たしかにあまり見かけないかもしれません。
にしおか:ネットで少し見つけたりもするのですが、その情報を鵜呑みにもできないですよね。発信元も定かではなかったりしますし。話は少しズレますが、母は病院に行ってアルツハイマー型認知症という診断結果だったんです。父も酔っ払いの度合いによっては「認知症なのか?」と思うときがあるし、姉も、母の真似をしているのか判断がつかない時があって、素人の私には3人みんな認知症に見えるときもあるんです。
でも、そうだったとしても、接し方が変わるわけではないですし、これまでと何ら変わりはないです。「まあ気にせずいくか」と思いながらやっています。
Comment