—— 当時から、ある程度の在宅ワークは認められていたのでしょうか?

ある程度の在宅ワークは許可されていました。ただしその条件は「ケアの必要な子が家にいる場合は、親以外に介護できる人が常駐していること」。休校になってしまったので、長女も次女も自宅にいます。放課後等デイサービスも通えなくなりました。そのため、月曜と火曜に来てくださっているシッターさんにお願いして、仕事中に滞在いただくようにしました。

 

—— 突然の休校。娘さんはどんなご様子でしたか?

唐突に日常が切断されたために、娘は不安定になりました。なぜ、いつもの時間に登校できないのか、なぜ、私がずっと家のいるのかがわかりません。でも、娘なりに、状況を察し、何とか折り合いをつけようとしたのでしょう。半日、浴室にこもって、シャワーを出して水しぶきを眺め、浴槽に入ってお湯をためては、抜くという行為を繰り返すようになりました。

シッターさんは、浴室の戸の前に座り、時折、声かけをしながら、見守ってくださいました。

——シッターさんに常駐いただくとなると、さぞかし金額も膨れあがったのではないでしょうか。

コロナの特例措置でシッター割引券の1日当たりの枚数制限が撤廃されたため、私は夫が使っていなかった1年分のシッター券も含めて100枚以上を年度末の3月までに使いきることになりました。しかし割引券を使ってもかなりの金額となり、必要な提出書類に記入するだけでも、大変な作業でした。

そして次第に、感染症防止の観点からヘルパーさんやシッターさんの出入りも難しくなっていったのです。

私は高齢の両親と二世帯で暮らしているため、呼吸器の弱い父親の感染防止に努めました。また、平時の風邪の治療でもなかなかクリニックを受診しにくい娘がコロナに感染した場合、まともに治療を受けることができるのか……、不安で仕方ありませんでした。