たしかに、最近の音楽業界でビヨンセは驚くほど神格化されていて、今年のグラミー賞でもビヨンセに挨拶するためにアーティストたちが列をなしていました。だけど一方で、ビヨンセがそこまで業界で権力を握り恐れられているのなら、なぜ今年リリースしたカントリーアルバムはカントリーミュージック界にスルーされ、グラミーの最優秀アルバム賞が取れないのか? という疑問も湧いてきます。


ジャガーの証言もいったん「根拠がない」と否定されてしまいましたが、本当に事実無根なら、音楽業界の大物夫婦に楯突いて、ジャガー側に何かメリットがあるようにも思えない。というわけで、ビヨンセに対しては「白なのか黒なのか、どっちなの!?」というモヤモヤが残り続けています。あれだけ黒人や女性たちをエンパワーメントするアイコンだったビヨンセがもしも人身売買や性的虐待に関わっていたとしたら、その事実が及ぼす影響は甚大すぎて、想像するのも怖いくらい。

ディディ逮捕の余波がすごいことに!“犯行を黙認?”ビヨンセはコメント欄大荒れ、“当時13歳のJ・ビーバーを売った?”アッシャーは過去投稿を全削除_img0
カメラに笑顔で応じるアッシャーとディディ。写真は2013年当時。写真:MediaPunch/アフロ

そしてもうひとり、ディディの裏の顔を知っていたと言われるのが歌手のアッシャー。14歳のときにマネージャーによって、ディディによるメンターシップ・プログラム「パフィーフレーバーキャンプ」に送り込まれ、ディディと1年間一緒に暮らしていた過去があります。その後、2016年にアッシャーはハワード・スターンのラジオ番組でキャンプを回顧し、「かなりワイルドでクレイジーなものだった。すごくおかしなことが起きていて、俺はそれが何なのかよくわかってはいなかった」と発言。ハワードに「自分の子どもたちをそのキャンプに行かせる?」と聞かれると、「絶対ありえない!」と即答しています。
 

 


2004年の米『Rolling Stone』誌のインタビューでは、「この業界のセックスはすごくホットなんだ。どこを見ても女の子がいて、ドアを開けると誰かしらがセックスしていたり、乱交しているのが見えた」ともコメント。

これら過去の発言が掘り返されたことで新たに波紋を呼んでいるのは、当時13歳のジャスティン・ビーバーをディディに紹介したのがアッシャーだった、という事実。2009年にまだ幼いジャスティンがディディと「これから48時間一緒に過ごす。何が起きるかは言えない」と話している動画も存在しており、つまり売れるためにディディから性的搾取されていたアッシャーは、同じことが起きることをわかっていながら、ジャスティンをディディに売ったのでは、と見られているのです。

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2010年当時、16歳になったばかりのジャスティン・ビーバーとディディ。写真:Backgrid/アフロ

アッシャーはディディの逮捕直後に自身のXアカウントの投稿全てを削除。一体何を恐れてのことなのか。