必要なサポートグッズを取り入れて、授業に集中できる環境へ

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教室の中での環境調整には、椅子・掲示物・座る位置の工夫などが挙げられます。目に入りやすい場所に掲示物が多いと、集中できません。教室の前方はすっきりとさせ、掲示物などは教室後方に貼るのが理想的です。窓の外に気を取られてしまう子は、窓側を避けるなど、まずは担任の先生に相談してみるといいでしょう。

また、椅子が身長に合う高さかを確認することとあわせ、我が家では姿勢保持用のクッションを、許可を得て入学当初から教室に持ち込んでいます。姿勢を保つのが苦手な子にとっては、硬い座面よりも体幹を支えてくれるクッションの方が座りやすいです。

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作業療法士が幼少期の子どものことをとことん考えて作ったクッション。独自の技術で、肋骨・骨盤・脚の支持面がその人に快適な位置を見つけだして身体に作用するため、座ると身体に添い、無理なく自然で、正しい姿勢へと導きます。p!nto kids(ピントキッズ))¥13750(税込)/株式会社ピーエーエス

また、平衡感覚や固有感覚の鈍麻から刺激を欲している子には、足元に刺激を与えるグッズがおすすめ。我が家の長男も、椅子の脚にゴムバンドを取り付け、足で踏んで使う「センサリーツール ふみおくん」を持ち込んで使っています。意外に感じるかもしれませんが、常に刺激を感じることが、かえって安定して座ることにつながることもあるのです。

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子どもが必要とする感覚刺激を自ら入れることで、着席時のソワソワ感を落ち着かせ、集中力の向上に役立つアイテム。学校の椅子の脚に簡単に装着でき、足をのせて踏んで使用することで感覚欲求が満たせます。センサリーツール ふみおくん/教育技術研究所


集中力をUPするために、休み時間は動いて感覚を満たす 
 

授業前に動く時間を取り入れることで、足りない感覚を満たすのもいいでしょう。のぼり棒や鉄棒など、姿勢の傾きがある遊びで主に平衡感覚に、縄とびやドッジボールで主に固有感覚に刺激が加わります。我が家の長男は、家で宿題をする前に少しの時間トランポリンなどをすると「宿題に集中できる」と言っています。
 

 


授業の合間も動けるよう担任と相談を


その他、授業中にずっと座っていなくて済むように、机を移動させてのグループワーク、教材の配付や黒板消し係を担当させてもらうなどの工夫ができそうか、担任の先生に相談してもいいかもしれません。授業の合間に身体を動かすことで、適度に感覚刺激が加わり、座ることに苦痛を感じにくくなりますよ。 


入学準備から小学校生活のさまざまな困りごとへのサポートについてまとめた書籍『感覚統合✕モンテッソーリの視点で伸びる! 発達が気になる小学生の学校生活&おうち学習ガイド』では、今回の内容以外にも「忘れ物が多い」「整理整頓ができない」「行事や予定変更でパニック」など小学校生活の困りごとへのサポート方法が網羅されています。
 

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『感覚統合✕モンテッソーリの視点で伸びる! 発達が気になる小学生の学校生活&おうち学習ガイド』
著者:りっきー イラスト:畠山きょうこ 講談社 定価1870円(税込)

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自身も発達障害(自閉スペクトラム&ADHD)のある小学生を子育て中のモンテッソーリ教育の専門家が、その豊富な経験と専門知識をまとめた、「家庭でできる支援の大全集」! 就学準備〜小学校生活や教科学習で出てくる困りごとに寄り添って、悩みごとにおうちで取り組める改善策を紹介します。

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りっきー
プラスモンテ®️主宰。大阪生まれ。大阪府立三国丘高校、神戸大学国際文化学部卒業。小6と小2の男児の子育て中。日本モンテッソーリ教育綜合研究所2歳半–6歳コース教師資格所有、保育士。「発達障害臨床研究会(宇佐川研)」オンラインサロン講師。長男に発達障害(自閉スペクトラム症&ADHD)があり、自宅での取り組みを模索する中で、「モンテッソーリ教育」と「感覚統合」に出会う。自身の子育てで悩んだ経験から、発達のことで悩む保護者と子ども、支援者の3者をつなぐ役割をしたいと考え、会社員から教育業界へ転職。その後独立。モンテッソーリ教室での講師業のほか、全国各地での講演、保育園・療育施設などで出張研修・オンライン研修等をおこなっている。現役ママたちが“編集部の中の人”としてコラムや公式Instagramを通じて情報発信するメディア「with class mama」にて、連載「りっきーの凸凹(でこぼこ)道を行こう!」を執筆。著書に『感覚統合の視点で「できた!」が増える!発達が気になる子のためのおうちモンテッソーリ』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。Instagram:@ouchi_monte_ryoiku


イラスト/畠山きょうこ
構成/with class編集部
 
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第1回「「うちの子、小学校でやっていける?」発達が気になる子の就学準備は早めが肝心!先輩ママが教える『家庭でできる練習3つ』」>>

 
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