必要なサポートグッズを取り入れて、授業に集中できる環境へ
教室の中での環境調整には、椅子・掲示物・座る位置の工夫などが挙げられます。目に入りやすい場所に掲示物が多いと、集中できません。教室の前方はすっきりとさせ、掲示物などは教室後方に貼るのが理想的です。窓の外に気を取られてしまう子は、窓側を避けるなど、まずは担任の先生に相談してみるといいでしょう。
また、椅子が身長に合う高さかを確認することとあわせ、我が家では姿勢保持用のクッションを、許可を得て入学当初から教室に持ち込んでいます。姿勢を保つのが苦手な子にとっては、硬い座面よりも体幹を支えてくれるクッションの方が座りやすいです。
また、平衡感覚や固有感覚の鈍麻から刺激を欲している子には、足元に刺激を与えるグッズがおすすめ。我が家の長男も、椅子の脚にゴムバンドを取り付け、足で踏んで使う「センサリーツール ふみおくん」を持ち込んで使っています。意外に感じるかもしれませんが、常に刺激を感じることが、かえって安定して座ることにつながることもあるのです。
集中力をUPするために、休み時間は動いて感覚を満たす
授業前に動く時間を取り入れることで、足りない感覚を満たすのもいいでしょう。のぼり棒や鉄棒など、姿勢の傾きがある遊びで主に平衡感覚に、縄とびやドッジボールで主に固有感覚に刺激が加わります。我が家の長男は、家で宿題をする前に少しの時間トランポリンなどをすると「宿題に集中できる」と言っています。
授業の合間も動けるよう担任と相談を
その他、授業中にずっと座っていなくて済むように、机を移動させてのグループワーク、教材の配付や黒板消し係を担当させてもらうなどの工夫ができそうか、担任の先生に相談してもいいかもしれません。授業の合間に身体を動かすことで、適度に感覚刺激が加わり、座ることに苦痛を感じにくくなりますよ。
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著者:りっきー イラスト:畠山きょうこ 講談社 定価1870円(税込)
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イラスト/畠山きょうこ
構成/with class編集部
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りっきー
プラスモンテ®️主宰。大阪生まれ。大阪府立三国丘高校、神戸大学国際文化学部卒業。小6と小2の男児の子育て中。日本モンテッソーリ教育綜合研究所2歳半–6歳コース教師資格所有、保育士。「発達障害臨床研究会(宇佐川研)」オンラインサロン講師。長男に発達障害(自閉スペクトラム症&ADHD)があり、自宅での取り組みを模索する中で、「モンテッソーリ教育」と「感覚統合」に出会う。自身の子育てで悩んだ経験から、発達のことで悩む保護者と子ども、支援者の3者をつなぐ役割をしたいと考え、会社員から教育業界へ転職。その後独立。モンテッソーリ教室での講師業のほか、全国各地での講演、保育園・療育施設などで出張研修・オンライン研修等をおこなっている。現役ママたちが“編集部の中の人”としてコラムや公式Instagramを通じて情報発信するメディア「with class mama」にて、連載「りっきーの凸凹(でこぼこ)道を行こう!」を執筆。著書に『感覚統合の視点で「できた!」が増える!発達が気になる子のためのおうちモンテッソーリ』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。Instagram:@ouchi_monte_ryoiku