早くやらなきゃ→そろそろヤバイ→いよいよ本気でまずい→またやってしまった……を繰り返してしまう「先延ばし」グセ。いつまで経っても悪循環から抜け出せず、謝罪スキルばかりが高くなり、本当にこのままではいけない!! と危機感を募らせているのは、きっと筆者だけではないはず(と思いたい)。そんな脱「先延ばし」を望む人にうってつけなのが、臨床心理士・中島美鈴さんの著書『マンガで成功 自分の時間をとりもどす 時間管理大全』です! 

片付かない仕事は…もっとも簡単なものから「やる」! 「先延ばし」グセを克服する認知行動療法的“スモールステップ”_img0
 

中島さんの専門は認知行動療法で、おもに大人のADHD(注意欠如・多動症)の方の「なぜか時間に間に合わない」「いつも先延ばしにしちゃう」「気づいたらこんな時間になっていた!」という悩みと向き合っていらっしゃるそう。だから中島さんが教えるのは、精神論ではなく、認知行動療法をもとにした解決方法なのです。

これから年末の繁忙期。年内に「先延ばし」を克服したい人は、ぜひ中島さんの時間管理術を参考にしてみてください。今回は特別に、本書から一部抜粋してご紹介します!
 

 


「やらなかったらどうなるか」最悪のシナリオを考えて

片付かない仕事は…もっとも簡単なものから「やる」! 「先延ばし」グセを克服する認知行動療法的“スモールステップ”_img1
 

あなたには、先延ばししているものはありませんか? 「いつかやる」「まとめてやる」「今は忙しい」そんな言いわけを繰り返して手をつけず、期限が過ぎてあわてる……。
わかります、よくあることです。

先延ばしをしている人には、共通のパターンがあります。それは「このまま手をつけないとどうなるか」と考えることを、途中でストップしていることです。この思考の一時停止をやめてみませんか? 覚悟を決めて、やらなかった場合の最悪のシナリオをイメージするのです。

「上司にめちゃくちゃしかられる自分」「顧客の信用を失う自分」。こわいですね。でも途中でやめちゃダメ。やらなかった自分の姿を最後まで見つめてください。

最悪のシナリオを現実にしないためには、「やる」しかありません。最初の一歩をできるだけ簡単なものにして、やり始めた自分へのごほうびも用意して、今すぐとりかかりましょう!
 

先延ばしの背景にあるのは? 自分の思考のクセに気づこう


先延ばしをするのは「めんどうくさいから」「だらしないから」と思いがちですが、そんなに単純ではありません。Eさんの場合、やるべきことが複雑すぎて最初の一歩が踏み出せないでいます。先輩にも相談しにくく、自己流で着手しようとしては挫折。その根底にあるのは、自信のなさと不安です。だからこそ最初の一歩が踏み出せません。

逆に「自分はギリギリでもなんとかできる」という根拠のない自信で先延ばしにする人もいますよね。先延ばしにしがちな思考のクセに気づくことで、対策も立てやすくなるのです。
 


▼「先延ばし」ありがちな思考
・締め切りはまだ先。余裕があるからあわてなくて大丈夫
・まとまった時間にまとめてやるほうが効率的だ
・わからないことがあって着手できない。質問してからにしよう
・今したいこと(やるべきこと)があるから、まずはそれ
・ギリギリに始めたほうが集中できるのよね
・自分には無理かもしれない。不安だから見ないふり

「いつかやる」は「一生やらない」!