「その情報がどうでもいいというわけではないですが、それを言われたところで、『じゃあ、うちで何ができるの?』と、相手になかなか詳細なイメージは伝わりません。

副業の場合、業務のすべてではなく、一部分に関わることが多いんです。今lotsfulで副業をしている人の業務平均は月30時間程度ですが、これを1日に換算すると1〜2時間。そうすると、かなり業務量をぎゅっと絞ってお任せしないといけない。どの業務に絞ったら、この方の力を一番借りられるかというのを企業は探します。

逆の側面から言うと、個人の方は企業の困っているところに、『これだったら私は一番力になれます』というのを伝えることがとても大事になります」(田中さん)

【副業だけど企業で働く(2)】就職や転職と求められるものがまるで別物!?  企業副業の秘策を専門家が伝授_img0
 

企業副業の面談、成功のポイントは?


エントリーの次の段階、面談もまた就職の面接とは違うようです。

「まず、企業側から『こういうことをやりたい』というお仕事や課題の説明があります。それに対して、どういう関わり方ができるかを話し合っていきます。

専門職の副業の場合はやることが明確ですが、lotsfulで取り扱っているような普通のビジネス系の副業、ゼネラリスト的なお仕事は、求人に載っている文章だけではよくわからない場合が多いんです」(田中さん)

面談は基本オンライン。面談と呼んでいますが、実際にはディスカッションしながら、できることをすり合わせしていく形に近そうですね。

ちなみにlotsfulでは希望制で、「タレントプランナー」と呼ばれるコンサルタントが一人一人の経歴やスキルを可視化し、希望に合わせた案件を紹介してくれるサービスを無料で提供しています。

人材紹介会社には、仕事を紹介してくれたり、キャリアを一緒に考えて伴走してくれるキャリアコンサルタントがいますが、タレントプランナーはその人の才能、スキルを抽出するお手伝いをするイメージでしょうか。

「自分ではなかなかうまく棚卸しができない、そんな時に、第三者的な目線でみるのがタレントプランナーです。また、lotsfulで取り扱っている副業案件を分析して『今、こういうスキルが求められているので、あなただったらここをアピールすると採用される確率が上がりますよ』と、一緒に棚卸しをしていきます」(田中さん)

そして、採用を勝ち取る上で大切なのは、やはり、やりたいという気持ち。

「短時間でお願いするからこそ、自社にちゃんと向き合ってくれる人にお願いしたいと企業は思っています。応募するときもコメント欄があるのですがサービスのことを事前に調べていたり、本当にその領域が好きだったり、ユーザーとして使っていたりする記載があると、企業側に会ってみたいと言われることが多いですね」(田中さん)

 


いよいよ契約 具体的なイメージを持ってみよう!


採用が決まると、いよいよ契約になります。

lotsfulの場合は、企業から仕事を受託して、それを個人に委託する業務委託契約。毎月定額の業務委託で、雇用契約ではないため社会保険などはありません(副業求人サイトによって、その形態はさまざまです)。

とはいえ、間にlotsfulが入る契約形態のため、トラブルが発生した場合はもちろんのこと、契約の管理や業務開始時のレクチャー、その他困りごとなどのフォローがあるそう。

ちなみに、1つの企業での副業はどれくらいの期間携わるものなのでしょうか?

「lotsfulの平均は半年くらい。短いものだと1、2ヵ月というものもありますし、逆に長い方だと2、3年ずっと携わっている人もいらっしゃいます。それは企業やプロジェクトによってさまざまです。

時間も週1日から始められるものもあれば、月に30〜40時間求められるものもあります。

あまり最初から頑張りすぎてしまうと、できなかった時に自信喪失につながってしまう可能性もあるので、少しずつ自分のできることを見つけて、ステップアップしていくのがおすすめです」(田中さん)