『劇場版ドクターX』の公開を12月6日に控え、今月はプロモーション活動をしています。
クランクアップしてから1年半ほど経っているので、いろいろなことを思い出すのが大変!
撮影が始まる前や撮影中に番宣をすることが多いドラマとは、大きく違うところだと思います。お話をしているうちに、劇場版の撮影をしていた頃はあまり体調が良くなかったから、今ならもっと頑張れたかもしれないという後悔の思いも浮かび上がってきたりして……。
劇場版の魅力をどうしたらうまく伝えることができるのか、楽しみながら頭を悩ませる日々です。
10月8日に行われた完成報告会見では西田(敏行)さんも登壇していて、舞台裏では「ひざが痛いときにはトントン叩くといいみたいだよ」と伝えたり、西田さんが「(蛭間院長の)『ドクターX』を作ってほしい」と話していたり。
最後までダジャレを言って、メンタル面では本当にお元気なままでした。西田さんは青年座の頃からずっとお客さんからの注目を集め続けてきた天性のスターで、甘え上手で、エネルギーにあふれた人。
(岸部)一徳さんと一緒にごはんを食べに行くといつも心に響くお話をしてくれていたので、スマホに録音をさせてもらっていたんです。
その音声を聞き直すと、私のことをよく見て、気遣ってくれて、本当にかわいがってくれていたんだな、と改めて感じました。
語りきれないほどの思い出がありますが、今は、『劇場版ドクターX』には元気な西田さんが映っているので、この映画を観れば何度でも会える、という気持ちです。
プロモーション期間には、ひとりでインタビューに答えたり、岸部一徳さんや内田有紀さん、勝村政信さん、田中圭ちゃん、劇場版のゲストである染谷将太さん、脚本家の中園ミホさんとも対談をしました。
懐かしい気持ちになることもあれば、「そうだったんだ!」と新しい発見をすることも。
ちょうどこの時期に内田さんが『燕は戻ってこない』で東京ドラマアウォード2024の助演女優賞を受賞したという、うれしいニュースも届きました。
映画に出演するのは『交渉人 THE MOVIE』(2010年)以来。
今回の劇場版は東京国際映画祭にも出品され、レッドカーペットも歩かせていただきました。声優として参加したマーベル作品や『ダイアナ』で海外のワールドプレミアに参加したことはありますが、自分が出演した作品で東京国際映画祭のレッドカーペットを歩いたのは初めての体験。
私にとってはテレビで見る世界なので最初は緊張していたのですが、一徳さんと一緒に歩けたことで、まるで自分のことなのに自分のことではないようなリラックスした気分で楽しい時間を過ごすことができました。
中園ミホさん、内山聖子エグゼクティブプロデューサー、田村直己監督とともに登壇した、「ウィメンズ・エンパワーメント部門」でのワールドプレミア上映の舞台挨拶では、観客のみなさんを前に緊張してしまい、大門未知子の名前を噛みそうになる失敗も(笑)。
西田さんのことを話していると涙があふれてきて言葉に詰まってしまいましたが、2012年から始まったシリーズがあったからこそ、この舞台にも立てていることへの感謝の気持ちを自分なりの言葉でお伝えしました。
レッドカーペットではジョルジオ アルマーニのドレスにブルガリのカラフルなジュエリー、ジミーチュウのバッグとシューズで華やかなスタイリングに。
舞台挨拶ではアレクサンダー・マックイーンのドレスにジミーチュウのブーツ、ティファニーの「X」のモチーフがデザインされたネックレスを合わせ、「ウィメンズ・エンパワーメント部門」であることも意識して、オールバックとしっかり目のアイラインでヘアメイクでも力強さを現してみました。
舞台挨拶の最後には、観客の方たちからがサプライズで「よねさん、『ドクターX』ありがとう」という紙を掲げてくれて、また号泣。
ファンクラブに入ってくれている、コメっ子たちの仕業かなと思っています(笑)。
うちわや、『ドクターX感謝祭』のグッズの御意タオルを持ってくれている方もいて、本当に温かいファンの方たちに恵まれていることを実感した、一体感のあるワールドプレミア上映会でした。
公開まであと少し。普段はあまりご縁がないバラエティ番組にも出演させていただいているので、見ていただけたらうれしいです。
札幌、名古屋、大阪、福岡と、キャンペーンも走り切りたい! この歳になっても、まだまだ新しい経験ができていることに感謝だなぁと感じています。
文/細谷美香
構成/片岡千晶(編集部)
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