前川清さんは「他にいい仕事がないかな」と思っていた

「好きなことで、生きていく」が正解とは限らない。芸能界のトップランナーたちが教えてくれた「二番目にやりたい仕事がちょうどいい」_img0
 

以前インタビューした芸能人でも、中川家と似たマインドの方がいらっしゃったんです。
一人目が、歌手の前川清さん。

歌手なんて、なりたい人はごまんといても、実際スターになれるのはほんの一握りの世界。スターになるのは、きっと歌手になりたくてなった人に違いない! そう思うじゃないですか。でも、前川さんにインタビューして、その考えがひっくり返されたんです。

「ほかに給料がいい仕事があったら、もうとっくに違う道を選んでいたでしょう」

「どんな仕事でもいいのですが、より一層お金をいただける仕事が、他にもっとあったんじゃないかなと思っているんです。歌をどうしても歌いたかったという自分はいなかったし、歌手に固執してないですから。でも、ある意味好きで入った歌手の道ではなく、食べていくため、生活のためだからこそ、一生懸命やってこれたのかもしれません」

——「歌に浸らない、聞かせようと思わない」前川清の意外な発言から考える、自分がないからこそ得られるもの【インタビュー前編】(mi-mollet)
「僕は『紅白でトリを務めたい』という野心はどうしても持てないんです。そういう歌い手として凛としたものがない。だいいち、アガッてしまって耐えきれません。歌番組でもステージに並ぶ時に真ん中に立たされることほど嫌なこともない。端っこの方が良いです(笑)。」
——【オヤジンセイ】前川清<後編>「あえて借金を作り、そのために働く」前川流哲学を語る!(めざましmedia)
 

いやぁ、本当にびっくりですよね。歌手デビューしてすぐに紅白に出場。歌手生活55年を迎えるような大スターが、ずっと他にいい仕事がないかな、と思っていたなんて。前川さんはラジオで、“もっと安定した仕事を、とずっと思っていたけれど、70歳になりもう無理だと気づいた”ともおっしゃっていたんです。

かなり意外ではありますが、でも、もしかしたら、「この道しかない」と思い詰めすぎない、「これがダメだったら違う道がある」と思っている方が、精神衛生的にもいいし、長く続けられるのかなとも思うんですよね。