ザックリとした衣替えをしようかと漠然とクローゼットを眺めていた週末。このコートに「お久しぶりね」とツンとした態度で語りかけられた気がました。購入した当初は毎日のように着ていたこのコート……

今回は、コート再生のお話。

『お久しぶりね』のコートにベルトを巻いて  by大森葉子_img0
このコートを購入したのは、おそらく7.8年前。当時は珍しかったドロップショルダー&ドルマンスリーブ、コクーン型のシルエットに惹かれました。(写真のベルトとは違う)付属のベルトは使わず、ザックリ羽織るようにばかり着ていました。俄然、ウエストマークが気になっている私は、ベルトをON! それだけで新鮮な雰囲気になったと、自分では大満足(というか、そもそもブランドはこのバランスを推奨していたのですが苦笑)。そして、こちらは会社の駐車場です……このコーナーは会社のいろいろな場所がロケ場所になっています。

数年前に溺愛していたのに、ここ数年袖を通していなかったコート。実はその存在が記憶の外に置き去りになっていたコート。そのコートと突然対峙したことで、別れた彼女に街中で偶然出会って「お久しぶりね」と先制攻撃を受けたような衝撃を受けた私は、「いやいや、お前のこと、ずっと忘れてなかったから!」と言い訳するように、このコートを(自分の中での)今の気分で着こなしてみたいという欲求にかられました。

というわけで、スタイリストの望月さんも書かれていたように、この春は、太ベルトでウエストをがっつりマークした着こなしが気になっているのでベルトを投入したというわけです。

『お久しぶりね』のコートにベルトを巻いて  by大森葉子_img2
このコートの付属についていたレザーの黒いベルト……試着時以外、そのベルトをこのコートに巻いたことはなく、お恥ずかしながら、それが今自分が持っている中のどのベルトか分からなくなってしまいました。というわけで、ワードローブの中で、いちばん、巻いてみてしっくりきたベルトを(笑)。ベルトは気になっていたものを買い集める癖(!?)があるので、これもいつどこで購入したものか記憶が定かでなかったりします……。
『お久しぶりね』のコートにベルトを巻いて  by大森葉子_img4
ベルトを巻いて仕上がる少しエレガントなシルエットが当時の気分ではなかったため、これまではこんなふうにザックリとラフに羽織って活用していました。なのに、今はベルトを巻くほうが気分にマッチしてしまうという……。そして、話は逸れますが、このグッチのバンブーバッグ。社会人一年目のハワイ出張で浮かれて購入したものです。こちらも一周して、再び活用したい気持ちが復活。まわる、まわるよ、時代はまわる(笑)! 


太ベルトでウエストをマークしただけで、コートの印象がずいぶん変わると思いませんか? お手持ちのコートのベルトを交換してみたり、ベルトループのないコートにもあえてベルト巻いてみたり……春になったら、いろいろな装いのポイントになってくれるであろうベルト使い。まだ寒さが残るこの時期はコートスタイルで取り入れてみるといいのかもしれません。

『お久しぶりね』のコートにベルトを巻いて  by大森葉子_img5
コートを脱げば相変わらずのワンツーコーディネイト。これから季節が進むにつれて、ニットのウールがコットンに、そのニットがシャツに、そのシャツがTシャツに……と季節に合わせてデニムに合わせるトップスが移ろっていくだけのコーディネイトが主流になるであろう自分を先に謝っておきます。すいません(笑)!


「それじゃ、さよなら元気で」と断捨離を試みる前に、少しのアイデアで再生できるアイテムはこれ以外にもたくさんあるはず。もう一度生まれ変わって、もう一度めぐり会いたい、と再会の別れ際に未練が大噴出してしまうほどの運命の出会いをしたアイテムは、できるだけ長く良好な関係を保ちたい。そのためにフレッシュで自分らしい着こなしにアップデートしていきたいものだと思っています。

CREDIT :
コート/ACNE
ニット/ロンハーマンで購入
デニム/リーバイス この日と同じ
バッグ/グッチ
ベルト/たぶんローズバッドで購入
靴/海外で購入

アイコン画像

大森葉子

主にビューティ担当。「今日は夏休み?」と聞かれてしまうほどの“ど”カジュアルと「今日は何かあるの?」と聞かれてしまうほどのデザイン性のある服が好き。ほぼ“一目惚れ”買い派。

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