前回に続き、イタリア・フランチャコルタの注目のワイナリーをご紹介します。大草編集長も「これは買って帰りたい!」と”一目惚れ”ならぬ“一口惚れ”する逸品も続々。個性あふれる3軒をご案内します!
 

3. フランチャコルタの先駆者的な老舗
「Monte Rossa(モンテ・ロッサ)」

比較的新しいワイナリーが多いフランチャコルタ地方において、「モンテ・ロッサ」は1972年にパオロ・ラボッティ氏が創設した歴史ある醸造所のひとつです。

フランチャコルタを味わうなら!注目のワイナリー5選(後編)【大草直子ワイナリーを巡る③】_img0
施設は15世紀につくられた貴族の館を買い取ったものだそう。一部13世紀のも建物も。手入れの行き届いた中庭や、黄色い壁が印象的な回廊も美しい。
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重厚な門から石畳を見上げる古城のようなアプローチ。少女マンガ好きな川端、ロマンチックが止まりません!!
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モンテ・ロッサとは、“赤い山”という意味ではなく、初めての農園の主の苗字からとったそう。

スパークリングワインに特化して
ブドウそのものの味を生かすことにこだわる

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私たちが訪れた日は、明日から収穫が始まるという慌ただしい日でした。「ランチをご一緒出来なくて申し訳ない」と言いながらも、乾杯をしにきてくれた現オーナーのエマヌエーレ・ラボッティ氏。
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サテン、ブリュット、ノン・ドザート、ロゼなど5種類のフランチャコルタを生産。日本でも流通しているものも多い。
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最高峰ラインの「カボション ブリュット・ミッレジマート」は先日90歳で亡くなった歌手のバーバラ・シナトラさんも愛した逸品。ちなみに私が手にしているのは、マグナムボトルのさらに上の3Lのボトルです。

スティルワイン(非発泡性ワイン)は造っておらず、スパークリングワインだけに特化することで、畑の個性を生かした最上級のフランチャコルタを提供することを目指しているというモンテ・ロッサ。年間生産50万本のうち40万本がノン・ヴィンテージ(複数のヴィンテージのブドウをブレンドしたベースのスパークリング)を使用し、18ヵ月以上の熟成というフランチャコルタの規定よりも長く熟成させることで、複雑で深みのある味わいを生み出すことにこだわっています。
エレガントなパッケージは、プレゼントやお祝いの席にもぴったりですね。

 

 

◆モンテ・ロッサ
http://www.monterossa.com/
購入&お問い合わせ/モンテ物産株式会社 0120-348566

 


4. ピアニストが住む丘の麓から奏でられる繊細なハーモニー
「Ronco Calino(ロンコ・カリーノ)」

今回のツアーで訪れた中でもっとも小規模なワイナリーが「ロンコ・カリーノ」。著名なピアニスト、ベネデッティ・ミケランジェリが住んでいた家が立つ丘にワイン畑が広がっており、とってもフォトジェニック!

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丘の上のあんな素敵なお家に住んでるピアニストに恋をして~と妄想が広がります(笑)。
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今回のワイナリー巡りを案内してくれた(左から)フランチャコルタ協会PRのマルタさん、ロンコ・カリーノPRのアンナさん、そしてワインジャーナリストの宮嶋勲さん。
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ルミアージュ中のマグナムボトル。瓶内2次発酵の製法では「マグナムボトルが一番美味しくバランスよくできると言われています」と宮嶋さん。

いつまでも飲んでいられる優しくエレガントなラインナップ

1996年創設のとても新しいワイナリー。使うブドウは自社畑産のシャルドネとピノ・ネロだけ。非常に軽いプレスで最初に出てくるフリーラン・ジュースのみを使うというこだわりぶり。第1回の記事でご紹介した、気圧が通常のスパークリングより低い「サテン」や、加糖していない「ナチュール」など、どれも繊細で優しい味わいです。

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ピアノが描かれたラベルが目印。こちらが編集長が最初に「買いたい!」と手をあげた「フランチャコルタ ナチュール」。ドザージュしてないタイプなので、口当たりは軽やかで後味もフレッシュ。
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1つ1つ味や香りの違いをメモしながら飲み比べる編集長。楽しそう!(笑)

ロンコ・カリーノのフランチャコルタは、まだ日本での取り扱いが少ないそうなので、見つけたらぜひ!

◆ロンコ・カリーノ
http://www.roncocalino.it/​
購入&お問い合わせ/エイマーケット 06-4708-6031


5. オーガニックな製法で世界中から人気を集める
「Barone Pizzini(バローネ・ピッツィーニ)」

バローネ・ピッツィーニはフランチャコルタ地方の中で最初に有機栽培の認証を受けたワイナリー。

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環境に優しい建築、ソーラーパネルを使って一部エネルギーを自家発電するなど、工場自体も徹底してエコに配慮しています。
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ステンレスタンクが整然と並んでいて、今回訪れた醸造所の中では一番近代的!


「ビオだから美味しい」わけじゃない!こだわりの製法

日本でもビオワインを扱うレストランやショップが増えて、「これはビオっぽい」「ビオらしいね」って言ったり(小声ながら私もそんなこと言ったことがある!)しますが、「ブドウがビオかビオじゃないかは、味ではわからないんです」と宮嶋さん。味の違いは製法によるもの。「せっかくワインを飲むなら、身体にいいものを口にしたい」という思いを徹底的に実現しつつ、かつ最高級の味わいを生み出すための努力の賜物。飲む側からすると罪悪感がちょっと薄れるのも嬉しいですね。

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左から「バーニャドーレ フランチャコルタ 2009年」、「ロゼ フランチャコルタ 2013年」、「ナチュール フランチャコルタ 2013年」、「ゴルフ1927フランチャコルタ(ブリュット)」、「アニマンテ フランチャコルタ(サテン)」。

バローネ・ピッツィーニは比較的日本でも広く流通しており、手に入るものも多いそう!

◆バローネ・ピッツィーニ
http://www.baronepizzini.it/
購入&お問い合わせ先/アルカン 03-3664-6591

気候の変化と戦うのではなく、自然の声をきく

今回訪れたワイナリーすべてで印象的だったのが「自然に耳を傾けて、自然の声を聞きながらよいワインを造ることを心掛けている」という話。訪問中、現地の方も「今年は異常な暑さだ」というくらい高温の日が続いていました。世界的な温暖化の影響なのか、恵まれた土地であるフランチャコルタ地方も気候激変を免れていません。そんな環境変化に対応しながらも、昔ながらの伝統的な製法は守りつつ、美味しいワインを真摯に造り続ける姿勢に感動した私たちでした。そして、この土地で会う人会う人みんな明るくオープンでチャーミング! 

フランチャコルタやミラノから送迎付きのワイナリーツアーなども出ているそうなので、ワイン好きの方はぜひ人生のディスティニーのひとつに!

現地のワイナリー情報は下記のページをご参照ください。(各ワイナリーの見学ツアー情報なども掲載されています)
http://www.franciacorta.net/ja/cantine/70/

次回は、編集長のダイアリーでも少しご紹介したとても美しい五つ星ホテル「L’ALBERETA(ラルベレータ)」の全貌をご紹介します。

そして、とはいえイタリアまでは遠くてなかなかいけないよ~というみなさま(私たちも!)のための、日本でフランチャコルタを楽しめるレストランをご紹介したいと思います。



①「イタリアの極上スパークリング「フランチャコルタ」の魅力に迫る」はコチラ>>
②「フランチャコルタを味わうなら!注目のワイナリー5選(前編)」はコチラ>>
③「フランチャコルタを味わうなら!注目のワイナリー5選(後編)」はコチラ>>
④「北イタリアの五つ星ホテルで心と身体もトリートメント!」はコチラ>>

⑤「日本でフランチャコルタを楽しむレストラン」はコチラ>>

協力/フランチャコルタ協会

撮影・取材・文/川端里恵(編集部)