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キャベツの外葉、大根の皮やにんじんの葉など野菜の皮や葉なども、「もったいないから使いきる」のではなく「おいしいからいただく」という感覚で、立派な一品に変えてしまう、料理研究家の有元葉子さん。野菜、魚、肉などさまざまな食材をおいしく「使い切る」ことに焦点を当てた著書『「使いきる。」レシピ』の中から、なすの皮を使ったレシピを紹介していただきました。

なすの皮のきんぴら


なすの皮をむいて蒸すとき、当然のこと、皮が残ります。捨てられてしまうことが多いかもしれませんが、わたしはおいしくいただきます。なすの身と同様に、むくそばから皮も塩水(あるいはみょうばん水)につけます。こうしてアク抜きをしてから、皮はきんぴらにするのです。
油で炒め、しょうゆなどで味つけしたなすの皮のきんぴらは、つややかでハッとするような美しさ。「なす紺」と呼ばれる皮の紺色がさらに深くなり、その潔い単色の料理を、なすの皮だと当てるひとはなかなかいません。なじみのある野菜の、しかも皮だけだなんて思いもよらない、おしゃれな一品です。上等な器に盛れば、趣のある酒肴に。その反面、きんぴらですから、ご飯やおかゆにとても合う素朴なおかず――。
こんなふうに皮も身も、それぞれに色を愛でながらいただく。なすはひとつで二度おいしい野菜なんです。

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きんぴらを作る、という下心(?)が最初からあれば、なすの皮を厚くきれいにむいても、もったいなくないでしょう?

 材料(2~3人分)
・なすの皮 3本分
・ごま油 大さじ1
・赤唐がらし 1本
・酒 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1/2~2/3

 作り方
1.なすは皮をむきながら、身と一緒に皮も、塩水(分量外)につけます。赤唐がらしは種を除き、水に少しつけてやわらかくしてから細切りにします。
2.なすの皮は細切りにして、水けをよくきります。
3.鍋にごま油を熱し、2の皮を入れて炒めます。わりとじっくり炒める感覚です。油がなじんで色がさえたら、赤唐がらし、酒、しょうゆを加えて煮、汁けがほぼなくなれば完成です。

●甘みを入れないさっぱり味に仕上げましたが、好みでみりんを加えてもおいしいです。
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有元 葉子

料理研究家。専業主婦時代、3人の娘の母として、家族のために日々作る料理の面白さに目覚め、いつしか料理研究家に。すぐに役立つレシピ同様、「本当にいい道具が少ないから」と、メーカーと共同開発するキッチン用品「ラバーゼ」で、もの作りにも真剣に取り組んでいる。
著書には『「使いきる。」レシピ』『毎日すること。ときどきすること。』(ともに講談社)ほか多数。 

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『「使いきる。」レシピ 有元葉子の“しまつ”な台所術』
有元 葉子 著 1500円(税別) 講談社

「“買って、捨てる”暮らしはもうやめにしましょう」。
ものをとことん使いきる。食材もそう。野菜の葉っぱも皮もおいしく食べることで、わたしたちの暮らしは本当の豊かさと楽しさを取り戻す。
有元葉子のおしゃれな生活の根っこある“しまつ”の哲学。大ヒットの前著『使いきる。』の実践篇であるこの本には、ひとり・ふたり暮らしでもおいしく「食べきる」ヘルシーですてきなレシピや知恵が満載。

『「使いきる。」レシピ 有元葉子の“しまつ”な台所術』のほか、料理、ファッション、ダイエット・美容など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
講談社くらしの本はこちら>>

(この記事は2018年9月16日時点の情報です)
構成/庄山陽子(講談社) 写真/中本浩平

 


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