大人の着こなしに盛りすぎは“ほっこり”を招く…やってしまいがちなNG例4
前回の記事では、アニマル素材や柄を取り入れるときのコツを書きました。ほっこり見えは、アニマル以外のアイテムでも注意が必要です。今回は、あか抜けなかったり、おばさんっぽく見えたり、古くさく見えて、ほっこり見えしてしまう4つの実例を紹介します。どれもついやってしまいがちな組み合わせなので要チェックです!
ほっこり見えをしないために、気をつけたい4パターンの組み合わせ
「パッと見、コーディネート的には合っていそうなので、ついやってしまいがちですが、ほっこり見えの視点ではNGな組み合わせを紹介したいと思います。気をつけるポイントは、“甘すぎ”、“カジュアルすぎ”。コーディネートができたら、鏡の前で全身を見て、確認するとしだいに“脱ほっこり”のコツが掴めてくると思います」
NG例1
レース素材の服×ピンヒールパンプス
「女らしいレースの服を着たら、フェミニンなピンピールのパンプスを合わせたくなる…。そんな気持ち、わかります。ですが、女っぽい要素を盛りすぎると、とたんにおばさんっぽくなってしまうんです。ピンヒールをヒールが太いチャンキーヒールのパンプスに変えると、マニッシュ感やカジュアル感が加わって、たちまち洗練して見えますよ。大人になればなるほど、甘いデザインの加減には気をつけてみてください」
NG例2
ワイドデニム×ローファー
「先程は女っぷりがTOO MUCHでしたが、今回は、カジュアル要素を盛りすぎている組み合わせです。足元に抜け感ができないワイドパンツ×足の大半を覆ってしまうローファーは、重い印象に見えてしまい、ほっこり見えてしまうんです。ローファーのようなトラッドなアイテムこそ、今はモードに着こなすのが鉄則です!」
NG例3
かごバッグ×スニーカー
「“ピクニックセット”のようなこの組み合わせは、私自身もそうですが、大人世代になると正直キツいですね…。両方を一緒にもつと、ほっこり&カジュアルすぎてしまいます。かごバッグをカジュアルに持つなら、靴はフラットシューズに、スニーカーをカジュアルにはくなら、レザーのバケツ型バッグにするなどの工夫が必要です。キャンバストートバッグ×スニーカーも同じようなアプローチでほっこり見えないように気をつけてください」
NG例4
スエードバッグ×スエード靴
「スエードの小物自体は、素材感があるので、着こなしに便利なアイテムです。また、靴とバッグを同じ素材にすることで、コーディネートに統一感が生まれる気もしますよね。ですが、ウールのコートやニットなど、洋服の素材自体が重くなるこれからの時期は、小物まで重い素材にしてしまうと、全体がどんよりと重く見え、着こなしに抜け感がなくなってしまいます。私自身、撮影用の衣装のリースに行くと、ついスエード小物がかわいいなと思って借りてくるのですが、実際に秋冬のコーディネートをつくっていると、結局便利なのはパテントやメタリックなどのツヤのある小物なんです」
大人の着こなしの悩み“ほっこり問題”について、6回にわたって紹介してきました。少しはみなさんのお悩みの解決に役立てましたでしょうか?
もしもっと知りたいこと、わからないこと、新たな発見になったことなどがあれば、ぜひコメントでお寄せいただけるとうれしいです!
第1回「スタイリスト川上さやかさんが、ほっこり見せないためにやっている5つの工夫」はこちら>>
第2回「今季のトレンド、ビッグシルエットをほっこりさせずに着るには?」はこちら>>
第3回「配色を変えるだけで“脱ほっこり”できるんです」はこちら>>
第4回「“ほっこりして見えやすい”まろやかワントーンを洗練させて見せるには?」はこちら>>
第5回「“脱ほっこり”に有効なアニマル素材&柄の正しい取り入れ方」はこちら>>
撮影/須藤敬一(人物)、武藤 誠(静物)
スタイリスト/川上さやか
ヘア&メイク/川嵜 瞳(PEACE MONKEY)
構成/高橋香奈子
PROFILE 川上 さやかさん
スタイリスト。大手金融会社のOLからスタイリストに転身した異色の経歴の持ち主。シンプル&ベーシックな中にも上品な女らしさが光る、リアルな通勤コーディネートが人気。身長154㎝。instagram:@sk_120