■第一次選考

大学での学びの性質や面白さを体感してもらうために、大学の授業をじかに体験するプレゼミナールを2日間にわたって実施します。受験者は初日のセミナー受講が必須です。受験者は、セミナー受講後にレポートを作成します。なおプレゼミナールには2年生以上の高校生も参加できます。プレゼミナールのレポート、および志望理由書・活動報告書・外部外国語検定試験の成績などの出願書類を総合的に評価して一次選考合格者を決定します。

■第二次選考

・文系「図書館入試」
2日間にわたって実施されます。1日目は受験者それぞれが附属図書館で文献・資料等を自由に参照しつつ長時間をかけて自分の論を練り上げ、課題についてのレポートを作成します。2日目はグループ討論と個別面接が課されます。その過程で論理力や課題探究力、独創性などのポテンシャルが評価されます。

・理系「実験室入試」
志望する学科の専門性に即して、実験、実験演示、実験データの分析や考察、課題の解答を板書しながら説明し質疑する、個別面接、といった学科毎に工夫をこらした課題が課されます。あるいは高校での学びを活かした自主研究課題のポスター発表を行う学科もあります。いずれも受験者の基礎学力や専門分野への関心、自ら探究する力、を見極める入試です。
(詳細はお茶の水女子大学入試情報サイトを参照のこと)

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あるいは、私の母校国際基督教大学でも、数年前から大学の講義の録音を聞いて、それをノートにまとめ、それから設問が出るという試験を実施している。
いずれも、文部科学省が要請する、大学に入ってからの伸びしろ、自ら学ぶ力や学びを組み立てる力(潜在的学習能力)を問う試験になっている。

四国学院大学に話を戻す。
全面検索可としたが、四国学院の入試のポイントは、 7人1組なのにPCは2台しか置いていない点にある。その日に初めて会った17歳、18歳の7人が、その中から誰が検索を担当するか、どのタイミングで検索するか、得た情報をどのように使うかを考えなければならない。
また採点する教員の側の基準としては、検索のうまい受験生を高く評価するわけでもない。もちろん検索が圧倒的にうまければ、それも評価の対象とはなる(そもそもがプラスの要素を見いだそうとする試験なので)。しかし、もっとも評価されるのは、「あぁ君、検索うまいね。じゃあ、僕はメモをとるよ」というように自分の役割をきちんと担えた人物なのだ。

 

この四国学院大学の新制度入試では、多くの設問はディベートのように相手を論破するのではなく、協働して何かを成し遂げられるかどうかが評価の対象となっている。
そもそも、指定校推薦や公募推薦入試が対象となっており、よほどのことがない限り受験生は不合格にはならない(その代わり、インセンティブを付けるために、成績上位者には学費免除などの措置を行っている)。
私が、この改革にあたってまず提言したのは、「そもそもが、ほぼ全入の入試なのだから、生徒の持っている知識や情報の量をはかる試験から、生徒の本質を見極める試験に、試験の概念自体を変えていこう」ということだった。
実際の運用では、まず午前中に前述のグループワークを行う。ここには3人の試験官が試験会場ごとに張り付いて、討論の過程を評価する。評価の基準も公表している。

●自分の主張を論理的、具体的に説明できたか
●ユニークな発想があったか
●他者の意見に耳を傾けられたか
●建設的、発展的な議論の進め方に寄与できたか
●タイムキープを意識し、議論をまとめることに貢献したか
●地道な作業をいとわずに、チーム全体に対して献身的な役割を果たせたか